2020/9/15、経皮的冠動脈形成術の日本とアメリカの比較「Comparative Trends in Percutaneous Coronary Intervention in Japan and the United States, 2013 to 2017」の要旨をまとめました。

2020/9/15、経皮的冠動脈形成術の日本とアメリカの比較「Comparative Trends in Percutaneous Coronary Intervention in Japan and the United States, 2013 to 2017」の要旨をまとめました。経皮的冠動脈形成術の大規模無作為化対照試験の結果の適応は国によって違う可能性がありますが、経皮的冠動脈形成術の実際のパターンのばらつきを比較した研究はほとんどありませんでした。アメリカと日本において、代表的な全国レジストリを用いて、経皮的冠動脈形成術の件数、対象特性、術前検査、特性、質の傾向を比較しました。アメリカの治療状況として「National Cardiovascular Data Registry CathPCI」、参加病院数1752施設のデータを、日本の治療状況として「J-PCI」、参加病院数1108施設のデータを用いました。2013年から2017年にて、両方の登録研究の要約を行いました。結果、経皮的冠動脈形成術の件数は、アメリカにて、2013年の550872件から2017年の637650件へ15.8%増加、主な理由としては非待機的(nonelective)経皮的冠動脈形成術が増加(p for trend <0.001)がありました。日本にて、経皮的冠動脈形成術の件数は2013年の181750件から2017年の247274件へ36%増加、主な理由としては待機的経皮的冠動脈形成術の増加(p for trend <0.001)がありました。待機的経皮的冠動脈形成術の割合は、日本72.7%、アメリカ33.8%と二倍以上の差(p < 0.001)がありました。全体として、非待機的経皮的冠動脈形成術は有意差(vs. elective PCI; 27.3% vs. 66.2%; p < 0.001)を認め、安定狭心症に対する非侵襲的負荷試験の実施率は日本はアメリカと比べて有意に低値(15.2% vs. 55.3%; p < 0.001)でした。CT血管造影は日本において高頻度(22.3% vs. 2.0%; p < 0.001)に実施されていました。待機的経皮的冠動脈形成術は日本においてアメリカと比べて二倍以上高頻度でした。CT血管造影は日本においてアメリカと比べて術前検査として高頻度に実施されていました。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32912447
冠動脈カテーテル治療について日本とアメリカを比較した論文です。日本のほうがアメリカよりも、冠動脈CT血管造影が多く、待機的経皮的冠動脈形成術が多いという報告です。具体的なイメージが湧きやすいように端的に言えば、アメリカでは、いきなり急性冠症候群で運ばれて来て、術前の冠動脈CTを行う暇なしに、そのまま緊急カテーテルを行うのに対し、日本では冠動脈CTで事前に冠動脈病変を見付けてから準備をして冠動脈カテーテル治療を行うということです。当然、待機的カテーテルのほうが安全で、緊急カテーテルのほうがリスクが高いです。同じ冠動脈カテーテル治療と言っても、日本とアメリカでだいぶ様子が違うことがわかります。冠動脈CT検査設備の普及状態、医療経済環境の違い、本当に重症になってからでないと救急車を呼ばないか等の受診行動なども関係しているかも知れません。


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