2020/10/21、SARS-CoV-2の飛沫感染予防のためのフェイスマスクの有効性について調べた日本の研究「Effectiveness of Face Masks in Preventing Airborne Transmission of SARS-CoV-2」の要旨をまとめました。

2020/10/21、SARS-CoV-2の飛沫感染予防のためのフェイスマスクの有効性について調べた日本の研究「Effectiveness of Face Masks in Preventing Airborne Transmission of SARS-CoV-2」の要旨をまとめました。
アメリカ疾病予防管理センターと世界保健機関のガイドラインでは、COVID-19の拡大予防のためにフェイスマスクの着用が推奨されています。しかしながら、感染力のあるSARS-CoV-2の飛沫(droplets)、エアロゾル(aerosols)からの空気感染(airborne transmission)に対してマスクがどれほど防止効果があるかは十分にわかっていませんでした。そこで、人間の呼吸、咳によって生成された感染力のあるSARS-CoV-2を含んだ飛沫、エアロゾルによる空気感染のシミュレータを開発、感染力のある飛沫、エアロゾルの感染能力、感染防止のためのフェイスマスクの種類と有効性を評価しました。結果、布マスク、サージカルマスク、N95マスクは全て、感染力のあるSARS-CoV-2の飛沫、エアロゾルの感染に関して、防止効果があること、防止効果は感染源側がマスクを着用した場合に高いことを発見しました。大切なことは、医療用マスクであるサージカルマスク、N95マスクでさえも、完璧に着用(completely sealed)した場合においても、飛沫、エアロゾルの感染を完全に防止(completely block)することは出来ませんでした。本データから、医療従事者がマスクのパフォーマンス、適正な使用を理解し、感染者から防御するために、追加の防具が必要かどうか決定する際に役立つでしょうと論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
https://msphere.asm.org/content/5/5/e00637-20.abstract
東京大学医科学研究所のプレスリリースが出ています。
「マスクにはSARS-CoV-2粒子の対面する人への暴露量を減らす効果と吸い込みを抑える効果があることわかりましたが、N95マスクは密着して使用しないと防御効果が低減すること、また、マスクだけではウイルスの吸い込みを完全に防ぐことができないことも明らかになりました。」と、マスクだけで完全に感染を防ぐものではないということを強調しています。
https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00042.html


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