2020/10/1、飲食品の制限小売の商品政策が集団の食事に与える影響を調べた研究「Effect of restricted retail merchandising of discretionary food and beverages on population diet: a pragmatic randomised controlled trial」の要旨をまとめました。

2020/10/1、飲食品の制限小売の商品政策が集団の食事に与える影響を調べた研究「Effect of restricted retail merchandising of discretionary food and beverages on population diet: a pragmatic randomised controlled trial」の要旨をまとめました。リアルワールドの食品小売において、飲食品販売の健康的な食品プロモーションの有効性は無作為化試験によって示されています。一方で、不健康な食品のプロモーションを制限することの有効性は十分にわかっていません。不健康な食品のプロモーションの制限の有効性、特にフリー糖質の飲食品の販売に貢献するような商品の有効性を評価するために、集団レベルの実用的、無作為化、並行群試験にて、不健康な食品の商品政策を制限する戦略にデザインされた介入群と従来の小売の対照群と店舗は無作為に割り振りました。本試験はオーストラリアにて、25店舗を運営する組織の協力を得て実施しました。一次解析は、主要評価項目としてg/全MJ、フリー糖質の全飲食品の介入群と対照群と週商ごとの差、対象の飲食品の重量とフリー糖質g/全MJ、全利益(AU$)を混合モデルを用いて解析しました。本試験はオーストラリア、ニュージーランドの臨床試験レジストリに登録しました。結果、2018/1/13から8/15まで、20店舗が参加、10店舗は介入群、20店舗は対照群に無作為に割り振りました。試験は2018/9/2から12/2まで実施しました。健康的な店舗2020(Healthy Stores 2020)戦略の店舗はフリー糖質の売上が2.8%減少(95% CI –4·9 to –0·7)しました。対象飲料は8.4%減少(–12·3 to –4·3)、フリー糖質6·8%減少(–10·9 to –2·6)、糖質甘味料含ソフトドリンク(sugar-sweetened soft drinks)13·2%減少(–18·5 to –7·6)、フリー糖質13·4%減少(–18·7 to –7·7)しました。菓子類(confectionery)のフリー糖質売上は7.5%減少(–14·3 to –0·2)、売上重量4·6%減少(–11·1 to 2·3)でした。しかしながら、体重の減少は統計学的に有意ではありませんでした。テーブル砂糖と甘いビスケットの売上は認めませんでした。総利益は影響はなく、むしろ5.3%軽度増加(0·3 to 10·5)しました。不健康な飲食品の商品政策の制限は、リアルワールドの状況、小売業者、補完的に健康的な飲食品の商品政策へつながり、公衆衛生、ビジネス上の利益を両方を達成する可能性があります。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.thelancet.com/journals/lanplh/article/PIIS2542-5196(20)30202-3/fulltext
糖質過剰摂取を防止するような商品政策(merchandising)はどのような影響があるか実際に実証実験として調べたオーストラリアの研究です。結果、糖質の摂取は減少し、店舗の売上が増加したという報告です。公衆衛生(public health)とビジネス上の利益(business relevant gains)は両立すると結論しています。また面白い論文があれば紹介します。


PAGETOP