2020/10/1、網膜画像から機械学習で全身性バイオマーカーの予測が可能かどうか調べた研究「Prediction of systemic biomarkers from retinal photographs: development and validation of deep-learning algorithms」の要旨をまとめました。

2020/10/1、網膜画像から機械学習で全身性バイオマーカーの予測が可能かどうか調べた研究「Prediction of systemic biomarkers from retinal photographs: development and validation of deep-learning algorithms」の要旨をまとめました。機械学習の網膜画像は、年齢、性別、血圧、血液学的指標の予測において応用が広がって来ています。しかしながら、網膜画像の機械学習の応用として、他の全身性のバイオマーカーへ広範囲に適応出来ないか、様々な集団に一般化可能かは十分にわかっていません。韓国、北京「Beijing Eye Study」、シンガポール「Singapore Epidemiology of Eye Diseases study」、イギリス「UK Biobank」、アジア、ヨーロッパ、7つの異なるコホートから網膜画像236257例を収集、年齢、性別、身体測定、血圧、脂質、肝機能、甲状腺機能、腎機能、炎症、血糖等を含む、47種類の全身性バイオマーカーをアウトカム変数として予測する47種類の深層学習アルゴリズムを評価しました。標準ニューラルネットワークアーキテクチャ「VGG16」にてモデル開発しました。結果、過去に報告された全身性バイオマーカーに加えて、網膜画像から体格関連指標(筋肉量、身長、体重)、クレアチニンを定量化しました。筋肉量の予測精度は内部試験セットにてR2 0·52(95% CI 0·51–0·53)、筋肉量測定値が入手可能な外部試験セットにてR2 0·33(0·30–0·35)でした。身長の予測のR値は、内部検査セットにおいて、0·42(0·40–0·43)、体重0·36(0·34–0·37)、クレアチニン0·38(0·37–0·40)でした。しかし、外部試験セットにおいて精度は不良で、R2値の範囲は身長0·08から0·28、体重0·04から0·19、クレアチニン0·01から0·26、特にヨーロッパのコホートにおいて精度は最低でした。47項目の全身性バイオマーカーのうち、37項目は網膜画像から深層学習にて十分に予測が不可能(R2≤0·14 across all external test sets)でした。本結果から網膜画像から、同様の人種的背景を持つ集団の深層学習において、体格関連指数、血清クレアチニン等を含む全身性バイオマーカーを予測する新しい可能性が示唆されました。本所見、アルゴリズムの臨床的有用性の検証についてはさらなる評価が必要です。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.thelancet.com/journals/landig/article/PIIS2589-7500(20)30216-8/fulltext
網膜画像から機械学習で身長、体重、クレアチニン値を予測しようという野心的な取り組みです。精度は不良(poor)であったものの、わずかながら関連性を認めたとの報告です。アジア(韓国、中国、シンガポール)のコホートとヨーロッパ(イギリス)のコホートのデータを混ぜており、ヨーロッパにおいて外部検証の精度が低かったとのことから、人種や地域を揃えることが大切かも知れないと考察してます。網膜の画像のデータを使うのに、なぜ最初からアジアとヨーロッパを分けなかったかと感じましたが。また面白い論文があれば紹介します。


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