2020/10/9、肝生検で確定の非アルコール性脂肪肝疾患の死亡率について調べた研究「Mortality in biopsy-confirmed nonalcoholic fatty liver disease: results from a nationwide cohort」の要旨をまとめました。

2020/10/9、肝生検で確定の非アルコール性脂肪肝疾患の死亡率について調べた研究「Mortality in biopsy-confirmed nonalcoholic fatty liver disease: results from a nationwide cohort」の要旨をまとめました。非アルコール性脂肪肝疾患(non-alcoholic fatty liver disease: NAFLD)の確実な組織学的診断と、全死亡、原因特定死亡リスクに関する集団ベースのデータは十分ではありません。1966年から2017年、スウェーデンにおける、肝生検で確定(biopsy-confirmed)の非アルコール性脂肪肝疾患の全例のコホート研究を実施しました。非アルコール性脂肪肝疾患はスウェーデン、28施設の病理学施設にて、全例、肝生検によって確定、他の病因による肝疾患を除外後、単純性脂肪肝(simple steatosis)、非線維化脂肪肝炎(non-fibrotic steatohepatitis: NASH)、非肝硬変線維化(non-cirrhotic fibrosis)、肝硬変(cirrhosis)等に分類しました。非アルコール脂肪肝疾患の例は、年齢、性別、暦年、国等の一般的な人口コンパレータを一致、49925例、Cox回帰を使用、多変量調整後のハザード比、95%信頼区間を算出しました。結果、中央値14.2年、非アルコール性脂肪肝疾患、死亡3448例、対照群と比べて、非アルコール性脂肪肝疾患は全死亡リスクの有意な上昇(16.9 vs 28.6/1000 PY; difference=11.7/1000 PY; aHR=1.93, 95% CI=1.86 to 2.00)を認めました。対照群と比べて、単純性脂肪肝(8.3/1000 PY, aHR=1.71, 95% CI=1.64 to 1.79)、非線維化脂肪肝炎(13.4/1000 PY, aHR=2.14, 95% CI=1.93 to 2.38)、非肝硬変線維化(18.4/1000 PY, aHR=2.44, 95% CI=2.22 to 2.69)、肝硬変(53.6/1000 PY, aHR=3.79, 95% CI=3.34 to 4.30)、死亡リスクの有意な上昇(ptrend <0.01)を認めました。用量依存勾配は単純性脂肪肝を対照群に設定した場合でも同様(ptrend <0.01)でした。非アルコール性脂肪肝疾患の超過死亡の原因は、主に肝臓外の癌(extrahepatic cancer)(4.5/1000 PY, aHR=2.16, 95% CI=2.03 to 2.30)、次に肝硬変(2.7/1000 PY, aHR=18.15, 95% CI=14.78 to 22.30)、心血管疾患(1.4/1000 PY, aHR=1.35, 95% CI=1.26 to 1.44)、肝細胞癌(1.2/1000 PY, aHR=11.12, 95% CI=8.65 to 14.30)でした。非アルコール性脂肪肝疾患の全てのステージは全死亡の有意なリスク上昇と関連しており、非アルコール性脂肪肝疾患の組織像が進行するにつれてリスク上昇を認めました。超過死亡のほとんどは、肝臓外の癌、肝硬変に由来していましたが、一方で、心血管疾患、肝細胞癌への影響はそこまでではありません(modest)でした。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33037056
非アルコール性脂肪肝疾患は単純性脂肪肝であっても死亡リスク1.71倍との報告です。死亡の原因は肝硬変や肝細胞癌等の肝臓病が多いかと思いましたが、1位は肝臓以外の癌(extrahepatic cancer)とのことです。


PAGETOP