2020/8/25、エベロリムス溶出性冠動脈ステント留置後、短期間の抗血小板薬2剤併用療法後、クロピドグレル単剤療法とアスピリン単剤療法を比較した研究「Clopidogrel Monotherapy vs. Aspirin Monotherapy Following Short-Term Dual Antiplatelet Therapy in Patients Receiving Everolimus-Eluting Coronary Stent Implantation」の要旨をまとめました。

2020/8/25、エベロリムス溶出性冠動脈ステント留置後、短期間の抗血小板薬2剤併用療法後、クロピドグレル単剤療法とアスピリン単剤療法を比較した研究「Clopidogrel Monotherapy vs. Aspirin Monotherapy Following Short-Term Dual Antiplatelet Therapy in Patients Receiving Everolimus-Eluting Coronary Stent Implantation」の要旨をまとめました。経皮的冠動脈形成術後、短期間の抗血小板薬2剤併用療法後、P2Y12阻害薬単剤療法と、アスピリン単独療法と比較したデータは十分ではありませんでした。「STOPDAPT-1」試験は、エベロリムス溶出性ステント留置後、3ヶ月の抗血小板薬2剤併用療法後、アスピリン単独療法に同意、前向き試験でした。「STOPDAPT-2」試験は、エベロリムス溶出性ステント留置後、1ヶ月の抗血小板薬2剤併用療法後、クロピドグレル単独療法と12ヶ月の抗血小板薬2剤併用療法を比較した無作為化試験です。「STOPDAPT-1」試験の3ヶ月の抗血小板薬2剤併用療法群と、「STOPDAPT-2」試験の1ヶ月の抗血小板薬2剤併用療法群の臨床転帰を比較しました。「STOPDAPT-1」1339例、「STOPDAPT-2」1480例を今回の試験の対象集団としました。主要評価項目は心血管死亡、心筋梗塞、脳卒中、確定ステント血栓症、TIMI基準の大出血、少出血の複合としました。主要評価項目の累積1年発生率は「STOPDAPT-2」「STOPDAPT-1」で有意差(2.3% vs. 2.3%, P=0.98)を認めませんでした。交絡因子調整後、主要評価項目に関して、「STOPDAPT-2」は「STOPDAPT-1」と比べて超過リスクを認めませんでした。3ヶ月から12ヶ月において、主要評価項目の累積発生率は「STOPDAPT-2」「STOPDAPT-1」で有意差(1.7% vs. 1.6%, P=0.77)を認めませんでした。経皮的冠動脈形成術後、1ヶ月の抗血小板薬2剤併用療法後のクロピドグレル単独療法は、3ヶ月の抗血小板薬2剤併用療法後のアスピリン単剤療法と比べて、臨床転帰は同等でした。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32684537
若干わかりにくい比較ですが、DAPT 1ヶ月+クロピドグレルと、DAPT 3ヶ月+アスピリンを比較したところ差を認めなかったという論文です。


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