2020/5/27、複雑冠動脈病変に対する至適ステントテクニック、冠動脈内画像ガイド、前拡張、ステントサイズ、後拡張を調べた研究「Optimal Stenting Technique for Complex Coronary Lesions: Intracoronary Imaging-Guided Pre-Dilation, Stent Sizing, and Post-Dilation」の要旨をまとめました。

2020/5/27、複雑冠動脈病変に対する至適ステントテクニック、冠動脈内画像ガイド、前拡張、ステントサイズ、後拡張を調べた研究「Optimal Stenting Technique for Complex Coronary Lesions: Intracoronary Imaging-Guided Pre-Dilation, Stent Sizing, and Post-Dilation」の要旨をまとめました。本研究では、複雑冠動脈病変に対して、「iPSP」(intracoronary imaging-guided pre-dilation, stent sizing, and post-dilation)、冠動脈内画像ガイド、前拡張、ステントサイズ、後拡張の3年転帰を比較しました。複雑冠動脈疾患における至適な薬剤溶出性ステント留置技術の長期の有効性は十分にわかっていませんでした。「IRIS-DES」(Interventional Cardiology Research In-cooperation Society-Drug-Eluting Stents)レジストリから、左主幹部、分岐部、30mm以上の長さまたはびまん性、血管造影上重症病変と分類、経皮的冠動脈形成術後9525例、主要評価項目は心臓死、標的血管心筋梗塞、標的血管血行再建の複合としました。治療確率の逆比重法を使用、交絡因子を調整しました。結果、手技開始時に血管内超音波評価、前拡張8522例(89.5%)、ステントサイズ5141例(54.0%)、後拡張5531例(58.1%)実施、ステント留置全体の3374例(35.4%)は3項目の「iPSP」戦略を実施、iPSP群と定義しました。3年後、主要評価項目の調整後発生率はiPSP群において有意に低値(5.6% vs 7.9%; adjusted hazard ratio: 0.71; 95% confidence interval: 0.63 to 0.81; p < 0.001)でした。複雑冠動脈狭窄に対して薬剤溶出性ステント留置を実施する場合、iPSPは3年間の心臓事象リスク低値と関連を認めました。したがって、複雑冠動脈狭窄の治療において、術者はiPSPをさらに応用すべきであると論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32473888
複雑冠動脈病変に対してステント留置を行う場合、血管内超音波、前拡張、ステントサイズ、後拡張を全ての手技を実施したほうが予後が良かったという報告です。


PAGETOP