2020/11/5、COVID-19関連脳卒中の特徴と転帰について調べたイギリスの研究「Characteristics and outcomes of COVID-19-associated stroke: a UK multicentre case-control study」の要旨をまとめました。

2020/11/5、COVID-19関連脳卒中の特徴と転帰について調べたイギリスの研究「Characteristics and outcomes of COVID-19-associated stroke: a UK multicentre case-control study」の要旨をまとめました。COVID-19と脳卒中の特徴、転帰との関連を調べるために、2020/3/9から7/5まで、イングランド、スコットランド、13病院にて、脳卒中入院例を対象に症例対照研究を実施しました。脳卒中の発症時にCOVID-19のエビデンスを認める症例群、脳卒中81例、虚血性脳卒中81例、脳内出血5例のデータを収集としました。対照群として、COVID-19のエビデンスを認めない同一期間の入院例、脳卒中1384例、虚血性脳卒中1193例、脳内出血191例と比較しました。さらに加えて、脳卒中後にCOVID-19が判明した37例を含めて、COVID-19と院内死亡率との関係、ロジスティクス回帰解析しました。結果、虚血性脳卒中の症例群は、虚血性脳卒中の対照群と比べて、アジア人の頻度が高く(18.8% vs 6.7%, p<0.0002)、複数の大血管閉塞が多く(17.9% vs 8.1%, p<0.03)、より重症(median National Institutes of Health Stroke Scale score 8 vs 5, p<0.002)、Dダイマー値高値(p<0.01)、退院時の後遺症(median modified Rankin Scale score 4 vs 3, p<0.0001)、 院内死亡(19.8% vs 6.9%, p<0.0001)と関連を認めました。入院中の脳卒中の再発は症例群と対照群で有意差なし(2.3% vs 1.0%, NS)でした。本データからはCOVID-19は急性虚血性脳卒中の発症、特徴、転帰に重大な影響をしている可能性が示唆されました。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33154179
COVID-19と脳卒中の関係において、重症例が多く、アジア人が多かったというイギリスからの報告です。メディカルトリビューンでも記事になっていました。
https://medical-tribune.co.jp/news/2020/1116533436


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