2020/11/1、LDLコレステロール値とプラーク破綻の関係について調べた研究「Relation of Low-Density Lipoprotein Cholesterol Level to Plaque Rupture」の要旨をまとめました。

2020/11/1、LDLコレステロール値とプラーク破綻の関係について調べた研究「Relation of Low-Density Lipoprotein Cholesterol Level to Plaque Rupture」の要旨をまとめました。スタチン投与はLDLコレステロール、炎症、動脈硬化性心血管疾患を低下します。LDLコレステロール、スタチン投与、プラーク破綻(plaque rupture)との関係を調べるために、急性冠症候群、責任病変の光干渉断層撮影画像(optical coherence tomography imaging)、LDLコレステロール値、スタチン投与に応じて、4群に分けました。1群はLDLコレステロール値100以下でスタチン投与なし、2群はLDLコレステロール値100以下でスタチン投与あり、3群はLDLコレステロール値100超でスタチン投与あり、4群はLDLコレステロール値100超でスタチン投与なし、プラーク破綻の有無を群間で比較しました。全896例のうちプラーク破綻444例(49.6%)診断されました。プラーク破綻の有無は4群間で有意差(p = 0.007)を認めました。プラーク破綻はLDLコレステロール高値でスタチン投与なしが最も多く、LDLコレステロール低値でスタチン投与ありが最も少ない(53.9% and 39.2%, respectively)結果でした。LDLコレステロール高値でスタチン投与なし群と比べて、LDLコレステロール低値でスタチン投与なし、LDLコレステロール低値でスタチン投与ありはプラーク破綻の有無は有意差(p = 0.001, p = 0.040, respectively)を認め、LDLコレステロール低値でスタチン投与ありは石灰化が有意に多い(p = 0.037)結果でした。自然な状態でLDLコレステロール低値はプラーク破綻のリスクが最も低い結果でした。LDLコレステロール低値、スタチン投与は石灰化が有意に高値でした。LDLコレステロール値上昇に対して、早期に積極的なスタチン投与は石灰化によるプラーク安定化によって、プラーク破綻を予防する可能性があります。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32892992
LDLコレステロール値、スタチン投与の有無とプラーク破綻の関係です。LDLコレステロール値は100以下がプラーク破綻は有意に減少しました。スタチン投与は石灰化によるプラーク安定化に関係しているのではないかという報告です。食事療法、運動療法、スタチン、いずれの方法でLDLコレステロール値は100以下が良いという結果です。


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