2020/11/13-11/17、オンラインで開催された「アメリカ心臓協会学術集会(AHA 2020)」にて、糖尿病性腎臓病に対するミネラルコルチコイド受容体拮抗薬「finerenone」の第III相試験「FIDELIO-DKD」試験のサブ解析の結果が発表されました。

2020/11/13-11/17、オンラインで開催された「アメリカ心臓協会学術集会(AHA 2020)」にて、糖尿病性腎臓病に対するミネラルコルチコイド受容体拮抗薬「finerenone」の第III相試験「FIDELIO-DKD」試験のサブ解析の結果が発表されました。「finerenone」は非ステロイド性選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬です。48カ国、成人2型糖尿病、糖尿病網膜症あり、微量アルブミン尿または顕性アルブミン尿あり、ACE阻害薬またはARB最大耐量投与、標準治療群、finerenone群、主要評価項目は末期腎不全(透析導入、腎移植、eGFR 15mL未満)、eGFRの40%以上の低下、腎疾患死亡の複合腎事象としました。中央値2.6年追跡、複合腎事象はfinerenone群2833例中504例(17.8%)、対照群2841例中600例(21.1%)、有意差(HR 0.82、95%CI 0.73-0.93、P=0.001)を認めました。また、今回のサブ解析では、心血管疾患の有無で層別化したところ、心血管疾患の既往あり(45.9%)、複合心血管事象はfinerenone群1303例中231例(17.7%)、対照群1302例中263例(20.2%)で減少傾向(HR:0.85、95%CI:0.71-1.02)、心血管疾患の既往なし、finerenone群1530例中136例(8.9%)、対照群1539例中157例(10.2%)、減少傾向(HR:0.86、95%CI:0.68-1.08、交互作用のP=0.85)を認めました。finerenoneは糖尿病性腎臓病の腎事象だけではなく、心血管事象を抑制する傾向を認めました。詳しくは以前のまとめをご覧ください。
「2020/10/23、2型糖尿病の慢性腎臓病に対するFinerenoneの有効性について調べた研究「Effect of Finerenone on Chronic Kidney Disease Outcomes in Type 2 Diabetes: FIDELIO-DKD」の要旨をまとめました。」
https://ochanomizunaika.com/20264
日経メディカルでも記事になっていました。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/202011/567967.html
追って論文をまとめます。
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCULATIONAHA.120.051898


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