2021/12/1、侵襲的血管特異的生理診断において負荷心筋還流画像と冠動脈CT血管造影を比較した研究「Stress Myocardial Perfusion Imaging vs Coronary Computed Tomographic Angiography for Diagnosis of Invasive Vessel-Specific Coronary Physiology: Predictive Modeling Results From the Computed Tomographic Evaluation of Atherosclerotic Determinants of Myocardial Ischemia (CREDENCE) Trial」の要旨をまとめました。

2021/12/1、侵襲的血管特異的生理診断において負荷心筋灌流画像と冠動脈CT血管造影を比較した研究「Stress Myocardial Perfusion Imaging vs Coronary Computed Tomographic Angiography for Diagnosis of Invasive Vessel-Specific Coronary Physiology: Predictive Modeling Results From the Computed Tomographic Evaluation of Atherosclerotic Determinants of Myocardial Ischemia (CREDENCE) Trial」の要旨をまとめました。機能的有意冠動脈疾患の診断のために負荷画像検査は標準的です。新規の動脈硬化性プラーク測定が、侵襲的冠血流予備量比測定と比べて、冠動脈狭窄の診断の正確性を改善するかどうかは十分にわかっていません。病変特異的な冠血流予備量比の推定において、閉塞性、非閉塞性動脈硬化性プラークの包括的解剖的評価と、機能的画像測定の診断の正確性を比較するために、非緊急侵襲的冠動脈造影、多施設導出検証コホートによる診断正確性の対照臨床試験を実施しました。23施設、症状、所見から心筋虚血の疑われる612例、64歳、女性30%が参加、2014年から2017年、2018年からデータ解析しました。侵襲的冠動脈造影、侵襲的冠血流予備量比測定を実施、冠動脈CT血管造影、冠動脈CTによる動脈硬化性プラークの定量化(FFR-CT)、磁気共鳴、陽電子放射断層撮影、単一光子放射断層撮影等による安静時または負荷時の心筋灌流画像の準定量化を比較しました。多変量一般化線形混合モデル、受信者操作特性曲線下面積を導出、検証にて算出しました。主要評価項目は侵襲的冠血流予備量比0.80以下としました。結果、612例、平均年齢64歳、男性426例(69.9%)、侵襲的冠血流予備量比0.80以下1727病変中26.5%でした。導出コホートにおいて、冠血流予備量比0.80以下と関連する冠動脈CT血管造影の血管特異的因子は、狭窄重症度、非石灰化粥腫容量率、病変容量、ハイリスクプラーク(低減衰プラーク、ポジティブリモデリング、ナプキンリングサイン、微小石灰化のうち2つ以上)の病変数、30%超狭窄の病変数でした。CTによる冠血流予備量比は狭窄、動脈硬化性プラーク等においてモデルに追加しませんでした。心筋灌流画像の有意な予測因子は安静時欠損スコア、負荷時安静時欠損差スコアでした。検証コホートにおいて、受信者操作特性曲線下面積は、冠動脈CT造影0.81、心筋灌流画像0.67、有意差(P < .001)を認めました。閉塞性、非閉塞性動脈硬化性プラークの定量化を含む、冠動脈CT血管造影による包括的解剖学的評価は、侵襲的冠血流予備量比の診断において、機能的画像検査と比べて優越性を認めました。冠動脈CT血管造影による包括的測定は、心筋灌流の負荷変化と比べて、血管特異的冠動脈生理の予測を改善しました。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32822476
冠動脈カテーテル検査による冠血流予備量比の予測として、冠動脈CT、心臓MRI、PET、SPECTを比較した結果、冠動脈CTが精度が最も優れていたとの報告です。冠動脈の評価のためには、冠危険因子の評価、心電図検査、冠動脈CT検査、冠動脈カテーテル検査という順で精密検査を進めて行くのが良いでしょう。詳しくは主治医までご相談ください。

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