2021/1/27、厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課、医薬安全対策課「「家庭用心電計プログラム」及び「家庭用心拍数モニタプログラム」の適正使用について」が発出されました。

2021/1/27、厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課、医薬安全対策課「「家庭用心電計プログラム」及び「家庭用心拍数モニタプログラム」の適正使用について」が発出されました。具体的には、アップルの「Appleの心電図アプリケーション」(一般的名称:家庭用心電計プログラム(クラスⅡ))及び「Appleの不規則な心拍の通知プログラム」(一般的名称:家庭用心拍数モニタプログラム(クラスⅡ))の承認を受けたものです。添付文書も公開されており、下記のように警告が最初に記載されています。
【警告】
1.本品は、心房細動の兆候の検出を補助的に行うものであり、従来の医師による診断に替わるものではありません。通知結果は1つの参考指標であり、実際の病態と異なる可能性があるため、自分で医学的な判断をしないでください。通知結果が心房細動である場合、専門の医師に相談してください。[誤った判断により疾患の発見の遅れや症状の悪化等につながるおそれがある。]
2.不整脈の診断をされたことがある人が症状の経過観察のために本品を使用しないでください。本品の通知結果を自己解釈し、医師の診断なしに、服用中の薬剤の変更や中止等を行わないでください。[誤った判断により疾患の発見の遅れや症状の悪化等につながるおそれがある。]
3.本品は、心房細動以外の不整脈の検出はできません。また、通知結果は測定時点における結果であり、測定するタイミングにより測定結果が異なる可能性があります。結果が心房細動でない場合であっても、使用者が心房細動を有していないことは意味しないため、症状等がある場合は通知結果にかかわらず専門の医師に相談してください。[誤った判断により疾患の発見の遅れや症状の悪化等につながるおそれがある。]
要約すると、心房細動の検出の補助を意図したものであり、それ以外の不整脈の検出を意図したものではないこと、確定診断は医師の総合的な判断が必要であること、心房細動ではないという判断は出来ないこと、等が重要です。詳しくは厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課、医薬安全対策課の発令をご覧ください。
https://jsts.gr.jp/news/pdf/20210201_0127_7_4.pdf
アップルからは使い方の説明ページが公開されています。
「Apple Watch Series 4、Series 5、Series 6 で心電図 App を使って心電図をとる」
https://support.apple.com/ja-jp/HT208955
心房細動以外の不整脈の検出を意図したものではないこと、心房細動以外の心疾患、特に狭心症発作、急性心筋梗塞等の虚血性心疾患の検出に使用してはならないことは注意事項として重要です。注意事項を十分に理解した上で、主治医と相談のもと様々な不整脈診療に活かしていく可能性は十分にあり得ます。例えば、スマートフォンのカメラは医療機器ではありませんが、特定の発作性の皮膚所見の撮影写真、特定の発作性の症状の撮影動画等が鑑別診断に有用ということは日常診療においてもあり得ます。アップルウォッチも様々な可能性を秘めています。注意事項を理解しつつ、不整脈診療に活かしていければと考えています。詳しくは主治医とご相談ください。

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