2021/2/2、光干渉断層撮影にて冠動脈石灰化の急速な進行の予測因子について調べた研究「Predictors for Rapid Progression of Coronary Calcification: An Optical Coherence Tomography Study」の要旨をまとめました。

2021/2/2、光干渉断層撮影にて冠動脈石灰化の急速な進行の予測因子について調べた研究「Predictors for Rapid Progression of Coronary Calcification: An Optical Coherence Tomography Study」の要旨をまとめました。心血管事象、プラーク安定化における冠動脈石灰化の役割はまだ議論があり、冠動脈石灰化の進行の関連因子は完全にはわかっていません。冠動脈石灰化の急速な進行の予測因子を特定するために、一連の光干渉断層撮影を登録時、6ヶ月後に実施しました。石灰化指標の変化、石灰化進行の予測因子を評価しました。石灰化指標は中央値石灰化曲線、石灰化長と定義しました。石灰化の急速進行は石灰化指標が中央値を超えて増加することと定義しました。光干渉断層撮影187例、開始時に石灰化を認める105例(56.1%)、石灰化プラーク235ヶ所を認めました。6ヶ月後、石灰化指標の増加は石灰化プラーク95.3%、132.0から178.2へ有意に増加(P<0.001)を認めました。多変量解析の結果、糖尿病(odds ratio [OR], 3.911; P<0.001)、慢性腎臓病(OR, 2.432; P=0.037)、脂質豊富プラーク(OR, 2.698; P=0.034)、マクロファージ(OR, 6.782; P<0.001)を冠動脈石灰化の急速進行の独立予測因子として特定しました。さらに、石灰化の急速進行は炎症性特徴の有意な減少と関連(thin-cap fibroatheroma; from 21.2% to 11.9%, P=0.003; macrophages; from 74.6% to 61.0%, P=0.001)を認めました。糖尿病、慢性腎臓病、脂質豊富プラーク、マクロファージは冠動脈石灰化の急速進行の独立予測因子でした。登録時の血管炎症とその後の安定化は石灰化の急速進行に関連している可能性があります。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33496191
冠動脈石灰化の関連因子として糖尿病、慢性腎臓病、脂質豊富プラーク等が特定されたとの報告です。冠動脈石灰化は過去から現在の動脈硬化による炎症を反映すると考えられています。冠動脈CTにて冠動脈石灰化の状態を評価することが出来ます。詳しくは主治医までご相談ください。

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