2021/1/5、スタチン治療の良好血管反応の光干渉断層撮影による予測について調べた研究「Optical Coherence Tomography Predictors for a Favorable Vascular Response to Statin Therapy」の要旨をまとめました。スタチン治療の良好反応を予測する特異的プラーク所見に関しては体系的に研究が不十分でした。スタチン治療の良好血管反応の光干渉断層撮影の予測因子について調べました。登録時、6ヶ月後、一連の光干渉断層撮影を実施しました。薄い被膜領域(thin-cap area)、線維性被膜厚200μm未満の領域と定義を3次元コンピュータ補助アルゴリズムにて測定、6ヶ月後の薄い被膜領域の変化を計算ました。良好血管反応は薄い被膜領域の減少の程度が三分位範囲の最高と定義しました。マクロファージ指標は平均マクロファージ曲線、マクロファージ浸潤の病変の長さと定義しました。多層プラークは1層以上の異なる光干渉密度の層を持つプラークと定義しました。84例、140非責任脂質プラークを対象としました。多変量解析の結果、登録時の薄い被膜領域(odds ratio [OR] 1.442; 95% CI, 1.024-2.031, P=0.036)、マクロファージ指標(OR, 1.031; 95% CI, 1.002-1.061, P=0.036)、多層プラーク(OR, 2.767; 95% CI, 1.024-7.479, P=0.045)を良好血管反応の有意な予測因子として特定しました。良好血管反応はマクロファージ指標の程度と関連を認めました。スタチン治療の良好血管反応の光干渉断層撮影の予測所見としては3つ、薄い被膜領域が広いこと、高マクロファージ指標、多層プラークを特定しました。スタチン治療に対する良好血管反応は炎症の減少の所見と相関関係がありました。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33342228
冠動脈CT、頸動脈エコー等でプラークを認めた場合、プラークは減るのか?ということが一番気になるところですが、スタチン投与にて、退縮しやすいプラークと退縮しにくいプラークがあるとの報告です。いずれにせよ、どうせスタチンを投与するのあればプラーク退縮を目指したいので、まずは十分量のスタチンでLDLコレステロール100未満、理想は70未満を目指すことが大切です。詳しくは主治医とご相談ください。
2021/1/5、スタチン治療の良好血管反応の光干渉断層撮影による予測について調べた研究「Optical Coherence Tomography Predictors for a Favorable Vascular Response to Statin Therapy」の要旨をまとめました。