2021/4/22、2017年のアメリカ心臓病学会・アメリカ心臓病協会の血圧ガイドラインの血圧分類と心不全、心房細動リスクとの関係を調べた日本の研究「Association of Blood Pressure Classification Using the 2017 American College of Cardiology/American Heart Association Blood Pressure Guideline with Risk of Heart Failure and Atrial Fibrillation」の結果が発表されました。2005年から2018年の全国健診レセプトデータベース「JMDC Claims Database」、2196437例を解析、中央値1112日の追跡、心不全28056例、心房細動7774例発生しました。多変量調整後、心不全、心房細動のハザード比は、血圧正常と比べて、血圧上昇、それぞれ1.10(95% Confidence interval [CI], 1.05-1.15)、1.07(95% CI, 0.99-1.17)、ステージ1高血圧、1.30(95% CI, 1.26-1.35)、1.21(95% CI, 1.13-1.29)、ステージ2高血圧、2.05(95% CI, 1.97-2.13)、1.52(95% CI, 1.41-1.64)でした。心不全に対する人口寄与割合は、ステージ1高血圧、ステージ2高血圧、それぞれ、23.2%(95% CI, 20.3%-26.0%)、51.2%(95% CI, 49.2%-53.1%)でした。心房細動に対する人口寄与割合はステージ1高血圧、ステージ2高血圧、それぞれ、17.4%(95% CI, 11.5%-22.9%)、34.3%(95% CI, 29.1%-39.2%)でした。ステージ1高血圧、ステージ2高血圧はいずれも心不全、心房細動の発症の増加と関連を認めました。アメリカ心臓病学会・アメリカ心臓病協会の血圧分類システムは心不全、心房細動の発生の高いリスクを特定するのに役立つ可能性があります。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33886370
日本人219万人のデータを解析した結果、血圧120/80未満を正常血圧、120-129/80を血圧上昇、130-139/80-89をステージ1高血圧、140/90以上ステージ2を高血圧と分類した場合に、ステージ1高血圧の段階で心不全、心房細動の発症リスクが上昇することが明らかになりました。東京大学のプレスリリースをご覧ください。
https://www.h.u-tokyo.ac.jp/press/20210423.html
日常診療において血圧130-139/80-89程度は様子見にしてしまうことも多いのですが、ステージ1高血圧の人口寄与割合は心不全23.2%、心房細動17.4%と決して低くないという報告です。120/80未満が望ましいというデータです。メディカルトリビューンでも記事になっていました。
https://medical-tribune.co.jp/news/2021/0426536213
2021/4/22、2017年のアメリカ心臓病学会・アメリカ心臓病協会の血圧ガイドラインの血圧分類と心不全、心房細動リスクとの関係を調べた日本の研究「Association of Blood Pressure Classification Using the 2017 American College of Cardiology/American Heart Association Blood Pressure Guideline with Risk of Heart Failure and Atrial Fibrillation」の結果が発表されました。