2020/11/2、重症閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群に対する筋機能治療アプリのパイロット無作為化対照試験「Myofunctional Therapy App for Severe Apnea–Hypopnea Sleep Obstructive Syndrome: Pilot Randomized Controlled Trial」の結果が発表されました。

2020/11/2、重症閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群に対する筋機能治療アプリのパイロット無作為化対照試験「Myofunctional Therapy App for Severe Apnea–Hypopnea Sleep Obstructive Syndrome: Pilot Randomized Controlled Trial」の結果が発表されました。筋機能治療は睡眠時呼吸障害の治療として有効性が報告されています。重症閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群(obstructive sleep apnea–hypopnea syndrome: OSAHS)に対して、スマートフォンを活用、口腔咽頭運動の実施を指導する新規のモバイルヘルスアプリの臨床応用を評価しました。重症閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群に対して、アプリの有効性を評価するパイロット無作為化試験を実施しました。無呼吸低呼吸指数(apnea–hypoxia index: AHI)> 30の40例を前向きに登録、90セッションのアプリ活用の介入群、対照群に無作為化しました。身体測定、エプワース眠気尺度(0-24)、ピッツバーグ睡眠質指標(0-21)、アイオワ口腔パフォーマンス機器スコア、酸素低下指標を介入の前後で測定しました。結果、介入後、28例が試験を終了しました。対照群においては有意な変化を認めなかったのに対し、介入群においては各指標で有意な改善を認めました。AHIは1時間あたり44.7回(range 33.8-55.6)から20.88回(14.02-27.7)へ、53.4%低下(P<.001)しました。酸素低下指数は1時間あたり36.21回(27.19-43.43)から19.4回(12.9-25.98)へ、46.5%低下(P=.003)しました。アイオワ口腔パフォーマンス機器最大舌スコアは39.83kPa(35.32-45.2)から59.06kPa(54.74-64.00)へ増加(P<.001)、最大唇スコアは27.89kPa(24.16-32.47)から44.11kPa(39.5-48.8)へ増加(P<.001)しました。AHIはアイオワ口腔パフォーマンス機器舌、唇の改善と有意に相関(Pearson correlation coefficient −0.56 and −0.46, respectively; both P<.001)を認めました。エプワース眠気尺度スコアはアプリ群において10.33(8.71-12.24)から5.37(3.45-7.28)へ低下(P<.001)、ピッツバーグ睡眠質指標は有意な変化を認めませんでした。モバイルヘルスアプリを活用した口腔顔面運動は閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群の重症度、症状を軽減、閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群の治療となる可能性が示されました。
https://mhealth.jmir.org/2020/11/e23123
睡眠時無呼吸症候群の代替治療の選択肢としてアプリによる舌リハビリテーションがあり、90回のセッションを実行することで睡眠時無呼吸症候群の重症度の指標であるAHIが53.4%改善したとの報告です。日経ビヨンドヘルスでも記事になっていました。
https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/news/overseas/00047
アプリは「Airway Gym」というアプリで2021/9/2現在$4.99で日本でもダウンロード可能です。既存のCPAP治療やマウスピース治療と競合するものではないので、ぜひ併用してみるのも良いのではないでしょうか。
https://airwaygym.app/en/gymnasts-homepage

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