2021/2/16、12誘導心電図から深層ニューラルネットワークで心房細動の新規発症を予測する研究「Deep Neural Networks Can Predict New-Onset Atrial Fibrillation From the 12-Lead ECG and Help Identify Those at Risk of Atrial Fibrillation–Related Stroke」の結果が発表されました。

2021/2/16、12誘導心電図から深層ニューラルネットワークで心房細動の新規発症を予測する研究「Deep Neural Networks Can Predict New-Onset Atrial Fibrillation From the 12-Lead ECG and Help Identify Those at Risk of Atrial Fibrillation–Related Stroke」の結果が発表されました。心房細動は未検出の場合も含めて潜在的な有病率は関連しています。もし心房細動の新規発症を予測可能だったとしたら、スクリーニングのターゲットとすることで早期発見に役立つ可能性があります。深層ニューラルネットワークにて12誘導心電図から心房細動の新規発症を予測可能か、予測が心房細動関連脳卒中リスクの特定に有用か、仮説を立てました。1984年から2019年、43万例、160万の安静時12誘導心電図のデジタル記録を使用、深層ニューラルネットワークにて心房細動の既往なし例の1年以内の心房細動の新規発症の予測を訓練しました。精度は受信者操作特性曲線、予測再現性曲線下面積によって評価しました。モデル予測によって層別化された心電図の30年間追跡期間の事象フリー生存解析を実施しました。リアルワールド実装のシュミレーションのために、独立したモデルとして2010年以前の心電図全例にて検証、2010年から2014年、脳卒中レジストリに登録された心電図の検証セットに対してモデルの精度を評価しました。異なる予測閾値のモデルにて心房細動の高リスクと予測された心房細動関連脳卒中リスク例を特定しました。結果、心電図から1年間の心房細動の新規発症予測の受信者操作特性曲線、予測再現性曲線下面積はそれぞれ0.85、0.22でした。30年期間の高リスク予測群と低リスク予測群のハザード比は7.2(95% CI, 6.9–7.6)でした。シュミレーション後の実装シナリオにおいて、モデルの1年間の心房細動の新規発症の感度69%、特異度81%で予測しました。心房細動の新規発症1例を発見するためのスクリーニング必要数は9例でした。モデルは心電図から3年間以内の心房細動関連脳卒中発症の63%の心房細動の新規発症高リスクを予測しました。深層学習は心房細動の過去の既往のない例の12誘導心電図から心房細動の新規発症を予測可能でした。本予測は心房細動関連脳卒中高リスク例の特定に役立つ可能性があります。
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCULATIONAHA.120.047829
心房細動の既往のない例の心電図データから機械学習で1年後の心房細動の新規発症を予測しようという取り組みです。人工知能の予測精度もここまで来たかという印象です。人智を超えて、機械学習でしかわからない未来予測があるという驚くべき報告です。

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