「JAMA」に急性冠症候群の診断と治療のレビュー「Diagnosis and Treatment of Acute Coronary Syndromes: A Review」が掲載されました。

「JAMA」に急性冠症候群の診断と治療のレビュー「Diagnosis and Treatment of Acute Coronary Syndromes: A Review」が掲載されました。暇だったのでアブストラクトを和訳しました。
急性冠症候群は心臓への血液供給の突然の低下が特徴で、ST上昇型心筋梗塞、非ST上昇型心筋梗塞、不安定狭心症を含みます。毎年、全世界で700万人以上が急性冠症候群と診断され、アメリカでは100万人以上が入院しています。安静時の胸部不快感は急性冠症候群の最も頻度の高い症状で、急性冠症候群の男性の約79%、女性の74%に関連しますが、しかしながら、男性の40%、女性の48%は胸痛と同時に息切れ等の非特異的な症状を訴え、またはそれのみのこともあります。急性冠症候群の可能性のある患者に対しては、来院から10分以内の迅速な心電図、ST上昇型心筋梗塞と非ST上昇型急性冠症候群を区別します。ST上昇型心筋梗塞は完全冠動脈閉塞が原因で、急性冠症候群の約30%を占めます。心電図によって急性冠症候群でST上昇のない場合は、非ST上昇型急性冠症候群と呼ばれ、急性冠症候群の約70%を占め、動脈の部分的、間欠的閉塞が原因で、ST低下(約31%)、T波陰転化(約12%)、ST低下とT波陰転化の両方(16%)、どちらも陰性(約41%)です。心電図でST上昇型心筋梗塞が示唆される場合には、120分以内の経皮的冠動脈形成術による迅速な再灌流によって、死亡率を9%から7%低下させることが出来ます。120分以内の経皮的冠動脈形成術が不可能な場合、75歳以下で併存疾患のない場合、十分量のアルテプラーゼ、レテプラーゼ、テクネプラーぜによる血栓溶解療法、75歳以上は半量(ストレプトキナーゼは十分量を考慮)を投与し、24時間以内に経皮的冠動脈形成術実施可能な施設へ転送します。高感度トロポニン測定は非ST上昇型心筋梗塞の評価のために実施します。非ST上昇型急性冠症候群のハイリスク例、併存疾患なしの場合、24時間から48時間以内の侵襲的冠動脈血管造影、経皮的または外科的血行再建は死亡率6.5%から4.9%の低下と関連します。毎年、全世界で推定700万人以上が急性冠症候群と診断されています。ST上昇型心筋梗塞の場合2時間以内の冠動脈カテーテル、経皮的冠動脈形成術が死亡率を低下、迅速に経皮的冠動脈形成術へのアクセスがない場合は血栓溶解療法を実施します。非ST上昇型急性冠症候群、ハイリスク、併存疾患なしの場合、侵襲的冠動脈血管造影、経皮的または外科的血行再建が死亡率低下と関連します。
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2789023
https://medical-tribune.co.jp/rensai/2022/0428545388

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