2018/5/24(木)から2018/5/27(日)までデンマークのコペンハーゲンにて開催された第55回ヨーロッパ腎臓学会にて、当院非常勤医師の森医師が発表をしました。発表内容は、「慢性腎臓病における塩分経口摂取量と早朝随時尿中の塩分濃度の関係」だそうです。なんのことやって感じですが、慢性腎臓病における食事療法としては、蛋白質、水分量、ナトリウム、カリウム、カルシウムなど、様々な栄養素が関係して来ます。また食事以外には喫煙が慢性腎臓病の明らかな悪化因子です。腎疾患は特に目立った自覚症状がないものの、一度失った腎機能をもとに戻すことは非常に難しいため、早期発見、早期対処が何よりも重要です。検診で腎機能の異常を指摘された方、検診で蛋白尿や血尿を指摘された方、既に慢性腎臓病の診断を受けている方、糖尿病、高血圧症等のある方は、一度森医師の外来にてご相談ください。非常勤医師の外来スケジュールに関しては外来担当表をご覧ください。
外来担当医→https://ochanomizunaika.com/doctors
また、森医師が腎臓病に関する様々なことを豊富にまとめている腎臓内科.comというページがありますので、ぜひご覧ください。
腎臓内科.com→腎臓内科.com
■自己紹介
腎臓内科医の森維久郎です。防げたはずの透析導入に対して、もっと早くから介入して、もっと早くから治療を行う必要性を感じて、情報発信をしております。個人で『腎臓内科.com』というブログを運営しており、月に1-2回お茶の水循環器内科で診察しております。
■診療内容
・腎機能障害、蛋白尿、血尿を中心として診療
・CKD(慢性腎臓病)といわれる病気の方に必要な特別な高血圧、糖尿病、栄養指導、生活習慣指導
を中心に診療しています。
気になる方はこのページの下の方に個人で運営している『腎臓内科.com』の記事の一覧を載せました。読んで気になった方は受診して相談頂いても大丈夫です。実際、『腎臓内科.com』をみて受診される患者さんもいらっしゃいます。もし受診を希望される方は、下記のカレンダーで森の診察日を探して頂き、受診頂ければと思います。
外来担当医→https://ochanomizunaika.com/doctors
■『腎臓内科.com』の記事の一覧を下記にまとめました。
Chapter0:よく読まれている記事を5つまとめました。
蛋白尿を見つけたらどうすれば良いか?
腎臓内科をしていて、蛋白尿を放置、もしくはかかりつけ医を受診したにも関わらず放置された結果、腎臓が悪くなってようやく介入を開始するケースを目の当たりにしたため、患者さん自身がどう行動すれば良いかについて書きました。健康診断などで蛋白尿を見つけた時に読んでもらえればと思っています。
慢性腎臓病患者の食事療法についてまとめました
慢性腎臓病の患者において、適度な運動、バランスのとれた食生活は非常に大切です。しかしながら実は医者側も診断、薬に目が行きがちで、栄養士さんがしっかりしている事もあり、意外と栄養については後回しになりがちになります。表層に知識で栄養に話をすると『これも食べちゃ駄目、あれ食べちゃ駄目』となってしまいがちで、自分自身にも問題意識があったので、この機会に1から勉強しなして記事にしました。ちなみにこの記事を読んで自分の外来受診される患者さんが一定数出てきました。
腎臓病患者に本当にロキソニンを使ってはいけないのか?
市販でも手に入るロキソニンは腎障害を引き起こします。一方でロキソニンが腎障害を起こすという事で、Googleでは『ロキソニン→腎障害!飲んじゃ駄目!』という安直な記事が乱立しています。どうしても『痛み』を止めたい瞬間は誰にもあると思います。ご高齢の方で痛み止めを処方されないあまりドンドン筋肉が衰えて、歩けなくなった方もいらっしゃいます。今回の記事では実際どこらへんまでなら使って良いのかについて着目して書きました。
慢性腎臓病患者にSGLT-2阻害薬は使ってよいのか?
どちらかというと、医療者向けです。最近、糖尿病の薬であるSGLT-2阻害薬という薬が腎臓を守ると言われています。一方で、『SGLT-2阻害薬→腎臓を守る』という安直な構図が先走り、SGLT-2阻害薬が乱用されているとおっしゃる糖尿病の先生方もいらっしゃいます。SGLT-2阻害薬と腎臓についての論文を個人的に過去からレビューして、糖尿病の先生方にも話を聞いて自分なりどう処方しているかをまとめました。
高血圧の場合どんな生活習慣を送れば良いか?
高血圧の時にどういう生活を送れば良いかをまとめました。俗に言う健康的な生活が大切なのですが、医学的にどのように関連しているかについてまとめてみました。
Chapter1:腎臓内科受診を勧められた読者用
そもそも蛋白尿ってなんですか?
蛋白尿を見つけたらどうすれば良いか?
蛋白尿の人って透析になりやすいんですか?
アルブミン尿が心筋梗塞や脳梗塞の発生率と関連があるという話
健康診断で血尿と言われたらどうすればよいか
糖尿病で蛋白尿(アルブミン尿)が見つかった人に、腎臓内科医として絶対伝えたいたった一つの事
説明書を作成しました。〜腎生検を受けられる方々へ〜
結局尿蛋白ってどうやって測定すれば良いんですか?〜実は医療者も良く分からない尿検査について〜
Chapter2:慢性腎臓病(CKD)と診断された読者用
慢性腎臓病とは? 〜なぜ医者は腎臓が60点以下になると騒ぎ始めるのか〜
高血圧の場合どんな生活習慣を送れば良いか?
慢性腎臓病患者さんの血圧はどうすれば良いの?
腎臓病患者に本当にロキソニンを使ってはいけないのか?
医者はどうやって腎臓を評価しているのか?(簡単ver)
医者はどうやって腎臓を評価しているのか(詳細Ver)
腎臓はメタボリックシンドロームにも強く影響される。
なぜ慢性腎臓病患者で貧血を治療するのか?
慢性腎臓病におけるリンの重要性について。
尿酸値が高い事で腎臓が悪くなる。
本当に減塩で腎臓を守る事が出来るのか?
血液透析以外にも様々な方法がある。
慢性腎臓病患者にSGLT-2阻害薬は使ってよいのか?
高齢の慢性腎臓病患者の血圧、血糖コントロールに関して
慢性腎臓病患者の食事療法についてまとめました
タバコは腎臓を悪くするのか?
アメリカの高血圧のガイドラインが変わりました。
痩せる手術、内服薬について書きました。
中性脂肪と腎臓
Chapter3:病気説明用
ネフローゼ症候群:尿から大量の蛋白が漏れる病気
膜性腎症とは?
IgA腎症とは 〜腎臓内科医として早期発見したい病気の一つ〜
微小変化型ネフローゼ症候群とは?
アルポート症候群とは?
睡眠時無呼吸症候群とは?
コレステロール塞栓症とは?
多発性骨髄腫と腎臓について。
造影剤腎症とは。
高カリウム血症とは?
脂質異常症についてまとめました。
医療法人社団お茶会お茶の水循環器内科院長の五十嵐健祐と申します。当院は2014年秋、「心血管疾患の一次予防」を理念に神田小川町にてスタートしました。2016年春、現在の神田神保町にお引越し、2018年春、医療法人化に伴い、循環器専門の医療機関として生まれ変わりました。我々の使命は「世の中から救えるはずの病気をなくすこと」です。世の中には救える病気とそうでない病気があります。その中で、心筋梗塞と脳卒中は血管の故障が原因であり、防ぐためには血管を守ることが重要です。血管を守るためには、具体的に、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙、心房細動、慢性腎臓病等の心血管疾患の危険因子に対して適切な治療介入と治療継続が大切です。一方で、現代人の生活スタイルとして、平日の日中に仕事や用事があることは普通のことであり、仕事をしながらの治療継続には大きな負担が伴います。我々はこのミスマッチを解決するために、夜間も土日も診療をオープンにし、心血管疾患の危険因子に対して適切な治療介入と治療継続を行っています。しかしながら残念なことに、土日や夜間に診療をしていると、我々の理念とは無関係に、ただ夜も空いているから、ただ土日もやっているから、ただ便利だからという理由だけで患者さんが殺到し過ぎてしまい、2018年冬、一時期は診療体制の維持が困難な事態に陥ってしまいました。
2018年春、ゼロベースで、「その医療は心筋梗塞を減らすだろうか?」という行動規範のもとに全ての診療体制の見直しを行いました。結果、循環器専門という選択と集中の意思決定に至り、2018年春に医療法人化に伴い、「お茶の水循環器内科」として生まれ変わりました。今後とも夜間も土日も診療をオープンにし、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙、心房細動、慢性腎臓病等の心血管疾患の危険因子に対して適切な治療介入と治療継続を実現していくことで、心筋梗塞と脳卒中を防ぎ、「世の中から救えるはずの病気をなくすこと」、これが我々の使命です。詳しくは上記ページに医療法人社団お茶会のミッションをまとめましたのでご覧ください。新しく生まれ変わったお茶の水循環器内科をどうぞよろしくお願いいたします。
2018年4月1日、医療法人社団お茶会理事長五十嵐健祐
【具体的な診療範囲】当院は循環器専門の医療機関です。循環器とは心臓と血管を専門に診る診療科です。具体的には、狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患、抗血小板療法、抗凝固療法、心房細動を始めとする不整脈、高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病、慢性心不全などの循環器疾患です。循環器の診療範囲を具体的にまとめました。
・心臓弁膜症(僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、他)
・不整脈(上室期外収縮、心室期外収縮、房室ブロック、心房細動、他)
・脳卒中、脳血管障害、脳梗塞(ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症)、脳出血、くも膜下出血、一過性脳虚血発作、脳卒中後の管理、二次予防、再発予防
・その他、健診の再検査、食事指導、運動指導、禁煙外来、など
以上、心臓と血管を専門に診る診療科が循環器です。脳梗塞や脳出血等の脳血管障害、脳卒中は脳神経内科や脳神経外科が診ることも多いですが、どちらも血管の故障の予防という意味では一次予防、二次予防としてやるべきことは循環器と共通です。高血圧症、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病等の生活習慣病も循環器病のリスク因子という点で循環器の守備範囲です。心筋梗塞や脳卒中にならないようにする、なってしまっても再発しないようにする、というのが循環器の仕事です。
【当院で対応していないもの】(2018/4/1更新)
2018/4/1以降、当院で対応していないものを具体的にまとめました。定期的に見直しを行っていますので、ご来院の前には必ずご確認ください。ご来院いただいても受付にて適切な診療科のご紹介の対応となることを予めご了承ください。下記に具体的にまとめましたので、診療科探しの際にご参考ください。
東京都の医療機関探しは、東京都医療機関案内ひまわり(☎ 03-5272-0303)をご活用ください。幸い、首都圏には夜間や土日も診療しているクリニックは当院以外にも最近少しづつ増えて来ています。随時紹介状の発行も行っていますのでお気軽にご相談ください。ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。