「循環器内科.com」に「WPW症候群」についてまとめました。

「循環器内科.com」に「WPW症候群」についてまとめました。
・WPW症候群→http://循環器内科.com/wpw


【WPW症候群とは】

WPW症候群とは、不整脈の一種です。Wolff-Parkinson-White syndromeの略で、発見者の3名の名前から名付けられました。心臓の電気の伝わり、電気伝導路には通常1本ですが、もう1本kent束と呼ばれる副伝導路という通り道があるという病気です。通常の伝導路は、洞房結節、心房、房室結節、His束、脚、プルキンエ線維、心室と伝わりますが、WPW症候群では、kent束と呼ばれる副伝導路から電気的興奮が伝わり、早期興奮波、心電図所見でδ波という波形が認められるのが特徴です。原因は生まれつき、先天性であると言われています。

【WPW症候群による頻脈発作】

WPW症候群は非発作時には何の症状もありません。WPW症候群の方の中で一定数、WPW症候群による頻脈発作、上室頻拍を引き起こします。これは、通常の伝導路とkent束の副伝導路とで、リエントリー回路という電気回路を形成してしまい、電気的興奮が心房と心室の間をクルクルとして回る回路を形成してしまうことによって起こります。WPW症候群の頻拍発作は、脈拍数が150-300回にも達し、自覚症状としては激しい動悸、頻脈を感じます。WPW症候群による頻脈発作は、突然始まり、突然停止するのが特徴です。心電図、ホルター心電図によって確定診断します。

【WPW症候群の治療】

WPW症候群の治療は、頻脈発作をどの程度起こしているかに寄ります。実は、WPW症候群であっても、一生一回も頻脈発作を起こさない人がおり、一回も頻脈発作を起こしていない場合は特別治療の必要はありません。一方で、中には頻繁にWPW症候群による頻脈発作を起こる方がいます。明確なルールはありませんが、一年に1回程度や年に1回未満であれば経過観察、一年に数回頻脈発作を起こす場合はカテーテルアブレーションという治療を行います。毎月、毎週のように頻脈発作を起こしている場合は、頻脈自体が心臓の筋肉に影響を与えてしまうことがあるため、カテーテルアブレーション治療を行います。頻脈発作の頻度が少なくても、著しい苦痛を感じている場合も、カテーテルアブレーションにって治療可能です。また、WPW症候群に心房細動という不整脈を合併すると、頻脈発作から心室細動という致死的不整脈を来してしまうリスクがあるため、カテーテルアブレーション治療を行います。カテーテルアブレーション治療とは、カテーテルという細いワイヤーを手首や足の付け根から挿入し、心臓までアプローチしていき、問題となっている副伝導路、kent束を見つけて、電気的に焼き切ることで、異常な伝導路を治療します。治療成績は非常によく、90%以上の成功率でWPW症候群は治癒します。治療成績がよい治療であるため、本人とよく相談し、希望される場合はカテーテルアブレーション専門の病院へ紹介します。経過観察の場合は、年に1回程度は心電図またはホルター心電図を取り、頻脈発作が起きていないかどうかをチェックします。動悸症状が変わった場合には、その都度受診するようにします。

【WPW症候群による頻脈発作時の治療】

WPW症候群による頻脈発作を今起こしている場合は発作時の治療を行います。サンリズム(ピルシカイニド)、ワソラン(ベラパミル)、シべノール(シベンゾリン)、アデホス(アデノシン三リン酸)、迷走神経刺激法、電気ショックなどがあります。



【重要】ご来院前にご確認ください。
お茶の水循環器内科は循環器専門の医療機関です。対象は主に狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患、心房細動を始めとする不整脈、心血管疾患の危険因子としての高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病、慢性心不全などの循環器疾患です。一般的な内科診療は行っていませんので予めご了承ください。 都内の医療機関探しは東京都医療機関案内サービスひまわりをご参考ください。
東京都医療機関案内サービスひまわり:03-5272-0303
https://www.himawari.metro.tokyo.jp/qq13/qqport/tomintop

【お茶の水循環器内科】

お茶の水循環器内科は5年目を迎えました。当院は2014年秋、「心血管疾患の一次予防」を理念に神田小川町にてスタートしました。2016年春、現在の神田神保町にお引越し、2018年春、「その医療は心筋梗塞を減らすだろうか?」という行動規範のもと、循環器専門の医療機関になりました。世の中には救える病気とそうでない病気があります。その中で、心筋梗塞と脳卒中は血管の故障が原因であり、心血管疾患の危険因子をコントロールすることで十分に予防が可能です。具体的には、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙、心房細動、慢性腎臓病等の心血管疾患の危険因子に対して適切な治療介入と治療継続を行うことが重要で、そのために当院は夜間や土日も診療をオープンにしています。心筋梗塞と脳卒中を防ぐこと、これが我々の使命です。お茶の水循環器内科をどうぞよろしくお願いいたします。
お茶の水循環器内科院長五十嵐健祐

【具体的な診療範囲】

お茶の水循環器内科は循環器専門の医療機関です。循環器内科とは心臓と血管を専門に診る診療科です。具体的には、狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患、心房細動を始めとする不整脈、心血管疾患の危険因子としての高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病、慢性心不全などの循環器疾患です。循環器内科の診療範囲を具体的にまとめました。
・冠動脈疾患(急性心筋梗塞、労作性狭心症、他)
・心筋梗塞後、抗血小板療法、ステント留置後の管理、バイパス術後の管理・慢性心不全の管理
・心臓弁膜症(僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、他)
・弁置換術後の管理、弁形成術後の管理、抗凝固療法・心筋症(肥大型心筋症、拡張型心筋症、高血圧性心肥大、他)
・大動脈瘤、大動脈解離後の管理
・不整脈(心房細動、房室ブロック、上室期外収縮、心室期外収縮、他)
・心房細動の抗凝固療法、心原性脳塞栓症の予防、アブレーション治療の適応の評価、アブレーション治療後の管理
・脳卒中、脳血管障害、脳梗塞(ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症)、脳出血、くも膜下出血、一過性脳虚血発作、脳卒中後の管理
・高血圧症、二次性高血圧症
・脂質異常症、家族性高コレステロール血症
・2型糖尿病、1型糖尿病、糖尿病合併症の管理、インスリン管理
・慢性腎臓病、腎硬化症の管理、糖尿病性腎症の管理
・その他、健診後の再検査、食事指導、運動指導、禁煙外来、など
以上、心臓と血管を専門に診る診療科が循環器内科です。高血圧症、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病等の生活習慣病も心血管疾患の危険因子として循環器内科の守備範囲です。心筋梗塞や脳卒中にならないようにする、一度なってしまっても再発しないようにする、というのが循環器内科の仕事です。予防に勝る治療はありません。お気軽に主治医までご相談ください。

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