2019/11/12(火)、ST上昇型心筋梗塞後に発症した心不全における性差について検討した研究「Sex-Related Differences in Heart Failure After ST-Segment Elevation Myocardial Infarction」の結果をまとめました。イタリアのISACS-TCレジストリーに登録された心不全の既往歴のないST上昇型心筋梗塞10443例(男性7331例、女性3112例)を対象に、性別と心不全の発症リスク、死亡率との関係を検討しました。結果、来院時に新規に心不全を発症していた割合は女性で有意に高く(25.1% vs 20.0% OR 1.34 95%CI 1.21-1.48)、また、来院時に心不全が認められた場合の30日死亡率は女性が男性よりもが高い(25.1% vs 20.6% OR 1.29 95%CI 1.05-1.58)という結果となりました。詳しくは論文をご覧ください。
→http://www.onlinejacc.org/content/74/19/2379
急性心筋梗塞後に心不全を発症することは少なくないですが、女性のほうが多いというのは実臨床の肌感覚と一致します。どうしてこのような性差があるのかはわかりませんが、男性であっても急性心筋梗塞後に心不全を起こした場合、20%以上の死亡率となっていることから、急性心筋梗塞は起こさないに限るということが改めて言えます。急性心筋梗塞の一次予防とは、具体的には血圧、脂質、血糖コントロールと、節酒と禁煙のことです。防げる心筋梗塞は防ぎましょう。詳しくは主治医までご相談ください。
2019/11/12(火)、ST上昇型心筋梗塞後に発症した心不全における性差について検討した研究「Sex-Related Differences in Heart Failure After ST-Segment Elevation Myocardial Infarction」の結果をまとめました。