2020/1/2(木)、家族性高コレステロール血症の臨床及び公衆衛生学的疾病負荷の減少に向けてのアクションレポート「Reducing the Clinical and Public Health Burden of Familial Hypercholesterolemia: A Global Call to Action」の内容をまとめました。

2020/1/2(木)、家族性高コレステロール血症の臨床及び公衆衛生学的疾病負荷の減少に向けてのアクションレポート「Reducing the Clinical and Public Health Burden of Familial Hypercholesterolemia: A Global Call to Action」の内容をまとめました。家族性高コレステロール血症(Familial hypercholesterolemia: FH)は、動脈硬化症心血管疾患の遺伝的リスクです。有病率は200から250例に1人といわれていますが、診断、十分な治療を受けているのは10%程度と言われています。世界保健機関(World Health Organization: WHO)は、1998年から公衆衛生上の優先課題であると認識し、家族歴高コレステロール血症の診断、治療、家族スクリーニング、教育について11項目のrecommendationsを提示、この20年間啓発活動を行って来ています。2018年、家族歴高コレステロール血症財団(Familial Hypercholesterolemia Foundation)とWHOは11項目についてアップデート、「The Global Call to Action on Familial Hypercholesterolemia」としてまとめました。9つの公共政策的推奨をアップデートしました。具体的には、関心の向上、アドボカシー、スクリーニング、検査、診断、治療、重症またはホモ型の家族歴高コレステロール血症への治療の保障、家族単位のケアの確立、研究と実践、レジストリーの立ち上げ、費用と効果への理解についてです。詳しくはをrecommendationsをご覧ください。
https://jamanetwork.com/journals/jamacardiology/article-abstract/2758279
家族性高コレステロール血症は未治療の場合、冠動脈疾患の発症及び死亡率がが20倍に上昇すると言われていますが、適切な診断と治療によってリスクは低減可能です。世界的には家族性高コレステロール血症の90%が診断や適切な治療が受けずに放置された状態となっていると言われていますが、日本でも治療を受けていない割合は非常に多いと言われています。今回のアクションレポートでは政策的支援が不可欠と強調されており、私も家族性高コレステロール血症に関しては、生活習慣病としての脂質異常症と同じ自己負担割合であることは正しいのか、脂質管理薬の投与量が決まればその後大きく変化する可能性が小さいので、長期処方やリフィル処方を認めるなど、公費支援及び治療継続負担の軽減策があっても良いのではと感じます。

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