2020/1/8(水)、睡眠不足と認知症のバイオマーカーとの関係について調べた研究「Effects of acute sleep loss on diurnal plasma dynamics of CNS health biomarkers in young men」の結果をまとめました。

2020/1/8(水)、睡眠不足と認知症のバイオマーカーとの関係について調べた研究「Effects of acute sleep loss on diurnal plasma dynamics of CNS health biomarkers in young men」の結果をまとめました。タウ蛋白やアミロイドβ等の蓄積はアルツハイマー病の発症と関係があることが知られており、蓄積はアルツハイマー病の発症の数十年前から始まると言われています。また血中濃度も関連性があることが知られています。スウェーデンにて健康な男性15例を対象に、クロスオーバー試験を行いました。具体的には、睡眠クリニックにて食事や睡眠を厳格な監視のもと、最初は十分な睡眠を取り、次に正常睡眠群と徹夜(overnight sleep loss)群と分け、試験前後の血液中の総タウ蛋白質(t-tau)、Aβ40、Aβ42、NfL(neurofilament light chain)、GFAP(glial fibrillary acidic protein)等の濃度を調べました。睡眠を取らない群では、夜間は照明はつけたままで、ベッドでゲーム、映画鑑賞、雑談などをして過ごしました。結果、血中タウ蛋白濃度は、正常睡眠群では平均1.8%上昇、徹夜群で平均17.2%上昇と差がある傾向(P=0.035)を認めました。Aβ40、Aβ42、NfL、GFAPは差を認めませんでした。今回の試験では、小規模であること、若年男性のみの試験であることは限界であり、さらなる研究が必要であると論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
https://n.neurology.org/content/early/2020/01/07/WNL.0000000000008866.long
直接関係があるかどうかはわかりませんが、一晩の徹夜でさえも翌日のタウ蛋白の増加の傾向が見られるという結果は驚きました。よく寝るようにします。

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