2020/1/8(水)、健康的な生活習慣とがん、心血管疾患、2型糖尿病の関係を調べた研究「Healthy lifestyle and life expectancy free of cancer, cardiovascular disease, and type 2 diabetes: prospective cohort study」の結果をまとめました。ハーバード大学公衆衛生学部(Harvard T.H. Chan School of Public Health)の研究で、アメリカの「Nurses’ Health Study」7万3196例、「Health Professionals Follow-Up Study」3万8366例を対象に前向きコホート研究を行いました。健康的な生活習慣として5つの因子、非喫煙、適正体重(BMI 18.5-24.9)、運動習慣(1日30分以上)、適正飲酒(一日アルコール摂取量としてエタノール換算で女性5-15g、男性5-30g以内)、健康的な食事習慣(diet quality score 40%以上)と定義、健康的な生活習慣を0-5点で評価しました。主要アウトカムとして健康余命、具体的には50歳以上において、がん、心血管疾患、2型糖尿病のない期間(The life expectancy free of diabetes, cardiovascular diseases, and cancer at age 50)と定義しました。健康余命は、不健康な生活習慣(0点群)の女性は23.7年間(95%CI 22.6 to 24.7)、健康的な生活習慣(4-5点)の女性は34.4(95%CI 33.1 to 35.5)でした。男性では、不健康な生活習慣(0点)で23.5年(95%CI 22.3 to 24.7)、健康的な生活習慣(4-5点)で31.1年(95%CI 29.5 to 32.5)でした。男性の喫煙歴(1日15本以上)、肥満(BMI 30以上)は特に健康余命が短い結果となりました。健康的な生活習慣を継続することは、がん、心血管疾患、2型糖尿病のない健康余命を延長することに関連していると論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
→https://www.bmj.com/content/368/bmj.l6669
時代が変わっても、様々なテクノロジーが進歩しても、健康的な生活習慣というのは大きく変わらないとも言えます。具体的には、煙草を吸わないこと、太り過ぎないこと、運動すること、お酒を飲み過ぎないこと、健康的な食事習慣、この5つの違いだけで健康余命が10年前後も違うという結果です。食事、運動、減量、節酒、禁煙、健康的な生活習慣というのは、意外にシンプルですね。後は実行するかどうか、継続するかどうかが大切です。
2020/1/8(水)、健康的な生活習慣とがん、心血管疾患、2型糖尿病の関係を調べた研究「Healthy lifestyle and life expectancy free of cancer, cardiovascular disease, and type 2 diabetes: prospective cohort study」の結果をまとめました。