2020/1/2(金)、虚血性脳卒中後の脂質管理目標値について検討した研究「A Comparison of Two LDL Cholesterol Targets after Ischemic Stroke: Treat Stroke to Target」の結果をまとめました。フランスと韓国にて、発症3ヶ月以内の虚血性脳卒中、発症15日以内の一過性脳虚血発作、合計2860例を対象に、LDLコレステロールの管理目標値を、70mg/dL未満(厳格管理群)1430例、90-110mg/dL(標準管理群)1430例の2群に設定、スタチンまたはエゼチミブを使用、平均3.5年追跡しました。結果、主要心血管イベント(虚血性脳卒中、心筋梗塞、不安定狭心症、頸動脈再建、心血管死)は、厳格管理群121例(8.5%)、標準管理群121例(8.5%)に発生、有意差(調整後HR 0.78 95%CI 0.61 to 0.98 P=0.04)を認めました。詳しくは論文をご覧ください。
→https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1910355
去年、アメリカ心臓協会学術集会(AHA2019)にて発表された研究です。 以前にもまとめを作っています。
「2019/11/16(土)-11/18(月)、フィラデルフィアで開催されたアメリカ心臓協会学術集会(AHA2019)にて脳梗塞後の脂質管理目標値と心血管疾患の関係について調べた研究「A Comparison of Two LDL Cholesterol Targets after Ischemic Stroke」の結果が発表されました。」
→https://ochanomizunaika.com/12650
いずれにせよ、結論としては虚血性脳卒中後の脂質管理目標値は90-110mg/dLと比べて70mg/dL未満が良いということが明らかになりました。今まで脳卒中後は血圧管理が第一で、コレステロールの管理についてはそこまで重要視していなかったところもあるので、今後は血圧だけでなく脂質もしっかりコントロールしていく必要があるということが明らかになった研究結果です。
2020/1/2(金)、虚血性脳卒中後の脂質管理目標値について検討した研究「A Comparison of Two LDL Cholesterol Targets after Ischemic Stroke: Treat Stroke to Target」の結果をまとめました。