2020/4/27(月)、塩分摂取に対する政府主導の介入と高血圧の関係ついて中国の研究「Association of a Province-Wide Intervention With Salt Intake and Hypertension in Shandong Province, China, 2011-2016」の結果をまとめました。

2020/4/27(月)、塩分摂取に対する政府主導の介入と高血圧の関係ついて中国の研究「Association of a Province-Wide Intervention With Salt Intake and Hypertension in Shandong Province, China, 2011-2016」の結果をまとめました。高い塩分摂取は高血圧と関連しており、心血管疾患の修正可能な危険因子の代表です。中国にて、政府主導、多分野、塩分摂取、血圧低下に関する地域ベース介入を実施しました。中国、山東省における、塩分摂取減に関する5年間の介入、「SMASH」(Shandong–Ministry of Health Action on Salt and Hypertension)プログラムのデータからの横断研究です。2011年から2016年まで、18歳から69歳までの成人、介入前15450例、介入後16490例を対象に、血圧変化の測定、知識、姿勢、塩分摂取関連行動について介入しました。介入前2024例、介入後1675例から無作為に尿検体を収集、ナトリウム、カリウム排泄量を測定しました。2017年から2019年までデータ解析を行いました。介入は、メディアによるキャンペーン、塩分測定スプーンの配布、スーパーマーケットやレストランにおける減塩食品のプロモーション、家庭における減塩サポート活動、学校における減塩教育など多分野に及びます。一次転帰は尿中ナトリウム排泄量の変化、二次転帰はカリウム排泄量、血圧、知識、態度、行動の変化としました。転帰は交絡因子の調整、平均値、95%信頼区間を求めました。結果、2011年時点において15450例、男性7683例(50.4%)、平均年齢40.7歳、2016年時点において16490例、男性8077例(50.7%)、平均年齢42.8歳でした。24時間尿検体において、2011年、男性1060例(51.8%)、平均年齢40.9歳、2016年、836例(50.7%)、平均年齢40.7歳でした。24時間尿中ナトリウム排泄量は、2011年、5338 mg/day(95% CI, 5065-5612)、2016年、4013 mg/day(95% CI, 3837-4190)と、25%有意に低下(P < .001)、カリウム排泄量は、1607 mg/day(95% CI, 1511-1704)から、1850 mg/day(95% CI, 1771-1929)へと15%有意に増加(P < .001)を認めました。全参加者の調整後の平均収縮期血圧は、131.8 mmHg(95% CI, 129.8-133.8)から、130.0 mmHg(95% CI, 127.7-132.4)ヘ、低下傾向(P = .04)、拡張期血圧は、83.9 mmHg(95% CI, 82.6-85.1)から、80.8 mmHg(95% CI, 79.4-82.1)へ、有意に低下(P < .001)を認めました。減塩、高血圧に関する知識、姿勢、行動についても有意に改善を認めました。中国、山東省における政府主導、地域ベース介入は、厳選、血圧の中程度の低下と有意に関連を認めました。「SMASH」研究の結果は、中国の他に地域、全世界における減塩、血圧コントロールに応用出来るかも知れませんと論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2764288
中国山東省の減塩キャンペーンの報告です。高血圧、減塩の重要性について、メディアキャンペーン、計量スプーンの配布、スーパーマーケット、レストランで減塩食品の啓発、家庭、学校での減塩教育、政府主導で強力に行った結果、確実に成果はあったという報告です。中国ならではの研究です。


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