2020/5/5、冠動脈CT血管造影による低濃度非石灰化プラークの心筋梗塞の予測についての研究「Low-Attenuation Noncalcified Plaque on Coronary Computed Tomography Angiography Predicts Myocardial Infarction: Results From the Multicenter SCOT-HEART Trial」の結果をまとめました。

2020/5/5、冠動脈CT血管造影による低濃度非石灰化プラークの心筋梗塞の予測についての研究「Low-Attenuation Noncalcified Plaque on Coronary Computed Tomography Angiography Predicts Myocardial Infarction: Results From the Multicenter SCOT-HEART Trial」の結果をまとめました。心筋梗塞の将来リスクは一般的には心血管リスクスコア、冠動脈石灰化スコア、冠動脈狭窄の重症度等によって評価します。冠動脈CT血管造影による非石灰化低濃度プラークの程度はより良い心筋梗塞の将来リスクの予測因子になるかどうかを調べました。安定胸痛患者に対する冠動脈CT血管造影の多施設無作為化比較対照試験の事後解析にて、将来の致死的心筋梗塞、非致死的心筋梗塞、低濃度プラーク負荷(% plaque to vessel volume)、心血管リスクスコア、冠動脈石灰化スコア、閉塞性冠動脈狭窄との関連を調べました。結果、1769例、男性56%、m平均年齢58歳、中央値4.7年間追跡、低濃度プラーク負荷は心血管リスクスコアと弱い相関(r=0.34; P<0.001)、冠動脈石灰化スコアと強い相関(r=0.62; P<0.001)、冠動脈狭窄の重症度と極めて強い相関(area stenosis, r=0.83; P<0.001)を認めました。低濃度プラーク負荷(7.5% [4.8-9.2] versus 4.1% [0-6.8]; P<0.001)、冠動脈石灰化スコア(336 [62-1064] versus 19 [0-217] Agatston units; P<0.001)、閉塞性冠動脈疾患の現病歴(54% versus 25%; P<0.001)は、致死的心筋梗塞41例において全て高値でした。低濃度プラーク負荷は、心血管リスクスコア、冠動脈石灰化スコア、冠動脈領域狭窄とは無関係に、心筋梗塞の最も強い予測因子(adjusted hazard ratio, 1.60 (95% CI, 1.10-2.34) per doubling; P=0.014)でした。低濃度プラーク負荷が4%以上の群では、心筋梗塞のリスクが5倍近く(hazard ratio, 4.65; 95% CI, 2.06-10.5; P<0.001)認めました。安定胸痛患者において、低濃度プラーク負荷は致死的心筋梗塞、非致死的心筋梗塞の最も強い予測因子でした。この発見は、狭窄重症度も含む現在の心筋梗塞の古典的なリスク予測因子を修正するかも知れないと論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32174130
スコットランドの冠動脈CTの研究「SCOT-HEART」からの報告です。試験冠動脈プラークには、石灰化プラークと非石灰化プラークがありますが、非石灰化の低濃度プラークが心筋梗塞予測の強い予測因子であったという報告です。冠動脈石灰化も危険因子ではありますが、非石灰化低濃度プラークはプラーク破綻を起こしやすい不安定プラークを反映している可能性があります。低濃度非石灰化プラークを認める場合には積極的なプラーク安定化を図る必要があります。詳しくは主治医までご相談ください。


PAGETOP