2021/1/13、2型糖尿病、肥満におけるBimagrumabの体脂肪に与える影響を評価した第II相無作為化臨床試験「Effect of Bimagrumab vs Placebo on Body Fat Mass Among Adults With Type 2 Diabetes and Obesity A Phase 2 Randomized Clinical Trial」の要旨をまとめました。アクチビンII型受容体（activin type II receptor: ActRII）シグナルの阻害抗体は骨格筋成長を刺激します。過去の臨床研究からはモノクローナル抗体bimagrumabによるアクチビンII型受容体の阻害は、過剰な脂肪組織の減少、インスリン抵抗性の改善を促進することが示唆されています。成人2型糖尿病、過体重、体組成、血糖コントロールにbimagrumabの有効性、安全性を評価するために、アメリカ、イギリス、9施設、成人2型糖尿病、BMI 28から40、HbA1c値6.5%から10.0%、48週間、二重盲検プラセボ対照第II相無作為化臨床試験を実施しました。2017年から2019年、試験を実施しました。治験レジメン完了例のみ解析に組み込みました。4週間ごと、bimagrumab群、5%ブドウ糖溶液、10mg/kg、上限1200mg、経静脈投与、またはプラセボ群、5%ブドウ糖溶液投与に無作為化、48週間追跡、両群とも食事運動指導を受けました。主要評価項目は登録時から48週間後の総体脂肪量（total body fat mass）の平均変化の最小二乗、副次探索的評価項目として、登録時から48週間後の除脂肪体重、腹囲、HbA1c値、体重の変化としました。結果、全75例、bimagrumab群37例、女性23例（62.2%）、プラセボ群38例、女性12例（31.6%）、58例（77.3%）48週間の試験完了しました。登録時の平均年齢60.4歳、平均BMI 32、平均体重93.6kg、平均除脂肪体重35.4kg、平均HbA1c値7.8%でした。bimagrumab群、プラセボ群の48週後の変化は以下の通り、脂肪量（-20.5% (-7.5 kg [80% CI, -8.3 to -6.6 kg]) vs -0.5% (-0.18 kg [80% CI, -0.99 to 0.63 kg]) (P < .001）、除脂肪体重（3.6% (1.70 kg [80% CI, 1.1 to 2.3 kg]) vs -0.8% (-0.4 kg [80% CI, -1.0 to 0.1 kg]) (P < .001）、腹囲（-9.0 cm (80% CI, -10.3 to -7.7 cm) vs 0.5 cm (80% CI, -0.8 to 1.7 cm) (P < .001）、HbA1c値（-0.76 percentage points (80% CI, -1.05 to -0.48 percentage points) vs -0.04 percentage points (80% CI, -0.23 to 0.31 percentage points) (P = .005）、体重（-6.5% (-5.9 kg [80% CI, -7.1 to -4.7 kg]) vs -0.8% (-0.8 kg [80% CI, -1.9 to 0.3 kg]) (P < .001）でした。Bimagrumabの安全性、忍容性プロファイルは前回の試験と同等でした。本第II相無作為化臨床試験において、2型糖尿病、肥満または過体重、bimagrumabによるアクチビンII型受容体阻害は、48週間後、脂肪量の有意な低下、除脂肪体重の増加、代謝の改善を認めました。アクチビンII型受容体経路の阻害は、過剰な肥満、代謝異常の薬物管理において新しいアプローチを提供する可能性があります。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33439265
アクチビンII型受容体阻害薬bimagrumabの第II相試験です。体脂肪20.5%（7.5kg）減少、腹囲9.0cm減少、HbA1c値0.76低下、体重6.5%（5.9kg）減少、除脂肪体重3.6%（1.70kg）増加と、夢のような結果です。筋肉を増やして、脂肪を減らそうという効果でしょう。まだ第II相試験なので開発中ですが、発売されたらダイエットクリニックが飛び付きそうですね。
https://medical-tribune.co.jp/news/2021/0121534909/index.html