2021/1/13、アルコール摂取、心臓バイオマーカー、心房細動リスク、有害転帰との関係を調べた研究「Alcohol consumption, cardiac biomarkers, and risk of atrial fibrillation and adverse outcomes」の要旨をまとめました。

2021/1/13、アルコール摂取、心臓バイオマーカー、心房細動リスク、有害転帰との関係を調べた研究「Alcohol consumption, cardiac biomarkers, and risk of atrial fibrillation and adverse outcomes」の要旨をまとめました。アルコール摂取と心房細動の発症の関係にはエビデンスが一貫していなく、特に低用量のアルコールについては十分にわかっていませんでした。ヨーロッパのコホートにて、アルコール摂取、バイオマーカー、心房細動の発症について評価しました。住民ベイスド蓄積コホートにて、107845例、アルコール摂取、アルコールの種類、飲酒パターンと心房細動の発症の関係について追跡、従来の心血管リスク因子、心不全の発症、バイオマーカーとしてNT-proBNP、高感度トロポニンIの測定値の情報を収集しました。中央値年齢47.8歳、男性48.3%、中央値アルコール摂取量1日3gでした。中央値追跡期間13.9年において、心房細動の発症5854例でした。性別、コホート層別化Cox回帰解析にて、アルコール摂取は心房細動の発症と非線形、正の関係を認めました。1日12gの飲酒のハザード比1.16で有意差(95% CI 1.11-1.22, P < 0.001)を認めました。アルコールの種類によって同様の関係を認めました。対照的に、低用量のアルコール摂取は心不全の発症リスクの減少と関連を認めました。アルコール摂取と心房細動の発症の関係は、心臓バイオマーカー濃度、心不全の発症からは完全には説明されませんでした。心不全のような心血管疾患とは対照的に、1日1.2杯低度の軽度のアルコール摂取の週間でさえも心房細動の発症と関連を認め、心房細動の予防のためには考慮すべきです。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33438022
多くの心血管疾患は適量のアルコール摂取は予防的に働くことが多いのですが、心房細動に関しては1日1杯低度のアルコール摂取でさえも発症リスク16%上昇の有意差を認めたという報告です。メディカルトリビューンでも記事になっていました。
https://medical-tribune.co.jp/news/2021/0119534897/index.htm

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