2021/1/19、揚げ物の摂取と心血管疾患、全死亡リスクとの関係を調べた観察研究のメタ解析「Fried-food consumption and risk of cardiovascular disease and all-cause mortality: a meta-analysis of observational studies」の要旨をまとめました。一般成人において、揚げ物(fried-food)の摂取と心血管疾患、全死亡リスクとの関係を定量化するために、メタ解析、用量反応解析を実施しました。2020/4/11まで、PubMed、EMBASE、Web of Scienceの全記事を対象に、無作為影響モデル、相対リスク、95%信頼区間を算出しました。結果、揚げ物の摂取が最も多い群は、最も少ない群と比較した相対リスクは、主要心血管事象1.28(1.15 to 1.43; n=17, I2=82.0%)、冠動脈心疾患(prospective: 1.24 (1.12 to 1.38), n=13, I2=75.7%; case-control: 1.91 (1.15 to 3.17), n=4, I2=92.1%); 1.22 (1.07 to 1.40; n=11, I2=77.9%)、脳卒中(prospective: 1.16 (1.05 to 1.29), n=8, I2=44.6%; case-control: 1.91 (1.05 to 3.47), n=3, I2=93.9%); 1.37 (0.97 to 1.94; n=4, I2=80.7%)、心不全(cohort: 1.21 (0.87 to 1.69), n=3, I2=77.3%; case-control: 2.01 (1.27 to 3.19), n=1); 1.37 (1.07 to 1.75; n=4, I2=80.0%)、心血管死亡1.02(0.93 to 1.14; n=3, I2=27.3%)、全死亡1.03(95% CI 0.96 to 1.12; n=6, I2=38.0%)でした。関係は主要心血管事象、冠動脈心疾患、心不全において線形でした。揚げ物の摂取は心血管疾患のリスク増加、線形の用量反応関係を認めました。しかしならが、元となった研究の高い異質性、揚げ物の摂取の潜在的な想起バイアス、分類バイアスの可能性があります。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33468573
揚げ物が多ければ多いほど冠動脈疾患、脳卒中が多いという報告です。具体的にな相対リスク増加は、冠動脈心疾患24%、脳卒中16%、心不全21%、心血管死亡2%、全死亡3%とのことで、心血管疾患は確かに増えますが、全死亡に与える影響は軽微と解釈することも出来ます。もともと揚げ物が好きではない方は無理して食べる必要はないですが、揚げ物が好きな方はどの程度リスクを許容可能か、人生観の問題になるのではないでしょうか。
2021/1/19、揚げ物の摂取と心血管疾患、全死亡リスクとの関係を調べた観察研究のメタ解析「Fried-food consumption and risk of cardiovascular disease and all-cause mortality: a meta-analysis of observational studies」の要旨をまとめました。