2021/3/9、標準的な修正可能な危険因子なしのST上昇型心筋梗塞の死亡率について調べた研究「Mortality in STEMI patients without standard modifiable risk factors: a sex-disaggregated analysis of SWEDEHEART registry data」の結果が発表されました。

2021/3/9、標準的な修正可能な危険因子なしのST上昇型心筋梗塞の死亡率について調べた研究「Mortality in STEMI patients without standard modifiable risk factors: a sex-disaggregated analysis of SWEDEHEART registry data」の結果が発表されました。標準的な修正可能な心血管危険因子(standard modifiable cardiovascular risk factors: SMuRFs)、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙のないST上昇型心筋梗塞は、標準的な修正可能な心血管危険因子1項目以上を認める場合と比べて、全死亡リスクの有意な上昇と関連を認め、特に女性でその傾向を認めました。早期死亡率の増加はガイドライン記載治療の使用調整後は減衰、低リスク群においても、梗塞後直ちにエビデンスに基づいた薬物療法を開始することの必要性を強調するものでした。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(21)00272-5/fulltext
高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙という典型的な冠危険因子を認める場合の急性心筋梗塞は珍しくありませんが、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、一つもないのにも関わらず急性心筋梗塞を発症する例を稀に経験します。遺伝的要素、冠攣縮等の別の機序の急性心筋梗塞等が関連しているのかも知れませんが、明らかな原因の特定に至らない場合があります。未発見の冠危険因子がまだあるのかも知れません。

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