・「厚生労働省から平成30年度診療報酬改定について告示されました。」→https://ochanomizunaika.com/2018-0306
・「厚生労働省から「オンライン診療の適切な実施に関する指針」が公表されました。」→https://ochanomizunaika.com/2018-0402
2018/4/1から新設された「オンライン診療料」について、今までにも何度か情報をまとめて来ましたが、患者さんに向けにまとめたものはありませんでした。先日、院長の五十嵐が教員を務めるデジタルハリウッド大学にてオンライン診療をテーマに勉強会を開催したのですが、その内容も踏まえ、このたび、患者さん向けにオンライン診療料について情報をまとめしました。
オンライン診療料とは、2018/4/1から新設された診療報酬点数で、以前は電話等再診料等を用いて、情報通信機器を用いた診療と呼ばれていたものです。オンライン診療料の算定要件、算定開始後の対面診療の頻度等の取り決めが明確化されました。結論から言うと、現時点では使い勝手の良いものとは言えないルールになりました。具体的には、
・第一に、対象疾患として、オンライン診療料の算定可能な疾患として、下記の10種類の管理料のうちいずれかを算定している疾患であると明確化されました。つまり、何でもオンライン診療を行って良いという訳ではなく、下記の管理料の対象となる疾患のみオンライン診療の対象で、それ以外の疾患はオンライン診療料の対象外であることが明確化されました。
特定疾患療養管理料、地域包括診療料、小児科療養指導料、認知症地域包括診療料、てんかん指導料、生活習慣病管理料、難病外来指導管理料、在宅時医学総合管理料、糖尿病透析予防指導管理料、精神科在宅患者支援管理料
お茶の水循環器内科においては主に関係があるのは「特定疾患療養管理料」です。高血圧症、脂質異常症、糖尿病等の生活習慣病や、心筋梗塞、不整脈、心不全、脳卒中等の循環器疾患です。当院において特定疾患療養管理料の対象疾患ではないものはその時点でオンライン診療の対象外です。特定疾患療養管理料については下記に詳しくまとめましたのでご覧ください。
「特定疾患療養管理料についてまとめました。」→https://ochanomizunaika.com/2018-0308
・第二に、オンライン診療料の適応条件についてルールが明確化されました。具体的には、適応条件は2種類あり、
1、対象となる管理料等を初めて算定してから6月の間は毎月同一の医師により対面診療を行っている場合
または、
2、当該管理料等を初めて算定した月から6月以上経過している場合は、直近12月以内に6回以上、同一医師と対面診療を行っている場合
の2つの算定要件のうちいずれかの条件を満たした場合に、オンライン診療料を算定可能であると明確化されました。いずれも、毎月の通院または2ヶ月に1回程度の頻度の通院を前提としており、この時点で適応条件が制限されるルールとなりました。
・第三に、オンライン診療の期間について、「対面診療の間隔は3月以内」という決まりになりました。むしろ「3ヶ月を超えてオンライン診療を行うこと」が出来なくなりました。もともと病状が安定していると主治医の判断すれば3ヶ月処方を基本としている当院にとっては大きなメリットはないルールになりました。
・最後に、以上の話は主に保険診療についてのルールですが、保険外診療も含むルールとして、「オンライン診療の適切な実施に関する指針」というガイドラインが出来ました。保険診療がメインの当院にはあまり関係がないのですが、オンライン診療の不適切な例として、ED治療薬や睡眠薬、美容目的のオンライン診療等が原則禁止になりました。
さらに詳しくは、厚生労働省「平成30年度診療報酬改定について」、情報通信機器を用いた診療に関するガイドライン作成検討会「オンライン診療の適切な実施に関する指針」のページをご覧ください。
厚生労働省「平成30年度診療報酬改定について」→http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411.html
情報通信機器を用いた診療に関するガイドライン作成検討会「オンライン診療の適切な実施に関する指針」→http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000201790.html
当院としては一応4/1からオンライン診療料を算定可能な基本診療料の届出を出しており、このたび、受理されたとの通知がありました。診療報酬点数改訂は2年毎にありますので、今後中長期的には変わる可能性があります。また2年後にお会いしましょう。何か新しく情報があれば随時お知らせします。