日本糖尿病学会から「かかりつけ医から糖尿病専門医・専門医療機関への紹介基準(作成:日本糖尿病学会、監修:日本医師会)」が発表されました。シンプルに一枚のスライドにまとまっています。
→http://www.jds.or.jp/modules/important/index.php?page=article&storyid=92
具体的には、血糖の管理目標値を、血糖正常化を目指す際の目標:HbA1c 6.0未満、合併症予防のための目標:HbA1c 7.0未満、治療強化が困難な際の目標:HbA1c 8.0未満とし、十分な血糖コントロールが得られない場合、1型糖尿病の場合、低血糖発作を頻回に繰り返す場合、教育入院が必要な場合、〇妊婦へのインスリン療法を検討する場合、慢性合併症、急性合併症、手術の場合と、それぞれ、紹介基準がまとまっています。どれも少し考えれば常識的な内容ではありますが、共通の基準が出来たことはかかりつけ医と糖尿病専門医の連携の推進という意味では一歩前進です。詳しくは日本糖尿病学会のページをご覧ください。
「かかりつけ医から糖尿病専門医・専門医療機関への紹介基準(作成:日本糖尿病学会、監修:日本医師会)」
→http://www.fa.kyorin.co.jp/jds/uploads/2018-02_referralstandard_jds.pdf
下記にテキストで抜粋しました。
「かかりつけ医から糖尿病専門医・専門医療機関への紹介基準(作成:日本糖尿病学会、監修:日本医師会)」
~主に糖尿病治療ガイドより~
1.血糖コントロール改善・治療調整
〇薬剤を使用しても十分な血糖コントロールが得られない場合、あるいは次第に血糖コントロール状態が悪化した場合
(血糖コントロール目標(※1)が達成できない状態が3ヵ月以上持続する場合は、生活習慣の更なる介入強化や悪性腫瘍などの検索を含めて、紹介が望ましい)。
※1.血糖コントロール目標
高齢者については“高齢者糖尿病の血糖コントロール目標”を参照
〇新たな治療の導入(血糖降下薬の選択など)に悩む場合。
〇内因性インスリン分泌が高度に枯渇している場合(1型糖尿病等)。
〇低血糖発作を頻回に繰り返す場合。
〇妊婦へのインスリン療法を検討する場合。
〇感染症が合併している場合。
2.教育入院
〇食事・運動療法、服薬、インスリン注射、血糖自己測定など、外来で十分に指導ができない場合
(特に診断直後の患者や、教育入院経験のない患者ではその可能性を考慮する)。
3.慢性合併症
〇慢性合併症(網膜症、腎症(※2)、神経障害、冠動脈疾患、脳血管疾患、末梢動脈疾患など)発症のハイリスク者(血糖・血圧・脂質・体重等の難治例)である場合。
〇上記糖尿病合併症の発症、進展が認められる場合。
※2.腎機能低下やタンパク尿(アルブミン尿)がある場合は“かかりつけ医から腎臓専門医・専門医療機関への紹介基準”を参照のこと
4.急性合併症
〇糖尿病ケトアシドーシスの場合(直ちに初期治療を開始し、同時に専門医療機関への緊急の移送を図る)。
〇ケトン体陰性でも高血糖(300mg/dl以上)で、高齢者などで脱水徴候が著しい場合
(高血糖高浸透圧症候群の可能性があるため速やかに紹介することが望ましい)。
5.手術
〇待機手術の場合(患者指導と、手術を実施する医療機関への日頃の診療状態や患者データの提供が求められる)。
〇緊急手術の場合(手術を実施する医療機関からの情報提供の依頼について、迅速に連携をとることが求められる)。
上記基準ならびに地域の状況等を考慮し、かかりつけ医が紹介を判断し、かかりつけ医と専門医・専門医療機関で逆紹介や併診等の受診形態を検討する。
【お茶の水循環器内科になりました】
お茶の水循環器内科院長の五十嵐健祐と申します。当院は2014年秋、「心血管疾患の一次予防」を理念に神田小川町にてスタートしました。2016年春、現在の神田神保町にお引越し、2018年春、医療法人化に伴い、循環器専門の医療機関として生まれ変わりました。我々の使命は「世の中から救えるはずの病気をなくすこと」です。世の中には救える病気とそうでない病気があります。その中で、心筋梗塞と脳卒中は血管の故障が原因であり、血管を守ることで予防が可能です。血管を守るとは、具体的に、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙、心房細動、慢性腎臓病等の心血管疾患の危険因子に対して適切な治療介入と治療継続をすることです。そのためには、夜間も土日でも通院しやすいように、夜間も土日も診療をオープンにし、循環器疾患の一次予防、二次予防のために診療を行っています。
しかしながら、我々の理念とは無関係に、ただ夜も空いていて便利だから、ただ土日もやっているからという理由だけで患者さんが殺到し過ぎてしまい、2018年冬、診療体制の継続が困難な事態に陥ってしまいました。2018年春、ゼロベースで、「その医療は心筋梗塞を減らすだろうか?」という行動規範のもとに全ての診療体制の見直しを行い、2018年春には医療法人化に伴い、「お茶の水循環器内科」として循環器専門の医療機関に生まれ変わりました。今後とも夜間も土日も診療をオープンにし、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙、心房細動、慢性腎臓病等の心血管疾患の危険因子に対して適切な治療介入と治療継続、循環器疾患の一次予防、二次予防のために診療を行っています。心筋梗塞と脳卒中を防ぎ、「世の中から救えるはずの病気をなくすこと」、これが我々の使命です。詳しくは上記ページに医療法人社団お茶会のミッションをまとめましたのでご覧ください。新しく生まれ変わったお茶の水循環器内科をどうぞよろしくお願いいたします。
2018年4月1日、お茶の水循環器内科院長五十嵐健祐
当院は循環器専門の医療機関です。循環器とは心臓と血管を専門に診る診療科です。具体的には、狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患、抗血小板療法、抗凝固療法、心房細動を始めとする不整脈、高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病、慢性心不全などの循環器疾患です。循環器の診療範囲を具体的にまとめました。
・心臓弁膜症(僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、他)
・不整脈(上室期外収縮、心室期外収縮、房室ブロック、心房細動、他)
・脳卒中、脳血管障害、脳梗塞(ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症)、脳出血、くも膜下出血、一過性脳虚血発作、脳卒中後の管理、二次予防、再発予防
・その他、健診の再検査、食事指導、運動指導、禁煙外来、など
以上、心臓と血管を専門に診る診療科が循環器です。脳梗塞や脳出血等の脳血管障害、脳卒中は脳神経内科や脳神経外科が診ることも多いですが、どちらも血管の故障の予防という意味では一次予防、二次予防としてやるべきことは循環器と共通です。高血圧症、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病等の生活習慣病も循環器病のリスク因子という点で循環器の守備範囲です。心筋梗塞や脳卒中にならないようにする、なってしまっても再発しないようにする、というのが循環器の仕事です。
【当院で対応していないもの】(2018/4/1更新)
2018/4/1以降、当院で対応していないものを具体的にまとめました。定期的に見直しを行っていますので、ご来院の前には必ずご確認ください。ご来院いただいても受付にて適切な診療科のご紹介の対応となることを予めご了承ください。下記に具体的にまとめましたので、診療科探しの際にご参考ください。
東京都の医療機関探しは、東京都医療機関案内ひまわり(☎ 03-5272-0303)をご活用ください。幸い、首都圏には夜間や土日も診療しているクリニックは最近少しづつ増えて来ています。随時紹介状の発行も行っていますのでお気軽にご相談ください。ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。新しく生まれ変わったお茶の水循環器内科をどうぞよろしくお願いいたします。