2018/12/23(日)開催の「第2回デジタルヘルス学会学術大会」吉原正彦先生の特別講演の開催レポートをまとめました。一言で言うと、ただただカッコいいの一言でした。吉原先生はクリニック向け電子カルテ「ダイナミクス」の開発者です。電子カルテ「ダイナミクス」は、現在は日本全国のクリニックにおける電子カルテシェア2位、全国4200以上の医療機関で導入されている伝説の電子カルテです。現在は株式会社ダイナミクス代表取締役としてダイナミクスの開発と普及に取り組みながら、また東京の日本橋で「吉原内科クリニック」で診療もされています。お茶の水循環器内科も開業時からずっとダイナミクスユーザーの一人であり、もし吉原先生のダイナミクスがなかったら今のお茶の水循環器内科は開業出来ていなかったと言っても過言ではありません。私にとって憧れの存在であり、レジェンドです。ダイナミクスユーザーが集まるダイナミクス研究会にて講演をお願いしたところご快諾いただくことが出来ました。2018/12/23(日)開催の「第2回デジタルヘルス学会学術大会」 にて 「ダイナミクスとともに」というタイトルで講演をいただきました。感動のあまり、開催レポートをまとめました。ご興味がある方はぜひご覧ください。
吉原先生は、1947年広島生まれ、最初は医学部ではなく、京都大学工学部機械工学科に入学、大学卒業後は自動車メーカの「マツダ」に就職、機械エンジニアとしての社会人生活をスタートされました。オイルショック後に静岡へ出向、自動車の営業マンとしての社会人生活を送りながら、34歳で心機一転、医学部を目指すことを決意し、受験勉強開始、一時期地方公務員を務めた後、1982年、35歳で広島大学医学部に合格、医学部へ入学します。その後、30代後半の医学部生として学生生活を送りつつ、自宅で学習塾を開業していたとのことです。41歳にて医師国家試験合格、医師免許取得、岡山大学第三内科へ入局、その後は広島大学第二内科、岡山大学第二内科を経て、1995年、48歳で大阪府内のクリニックへ赴任しました。クリニックで診療を行いつつ、医療情報データベースに取り組みました。当時、電子カルテは導入するだけで1000万円くらい掛かる非常に高価なものでした。今は吉原先生のダイナミクスのおかげで、30万戦前後で導入可能な電子カルテですが、当時は理不尽な周辺機器、2年毎の診療報酬改定毎の法外なメンテナンスフィー、レセプトコンピュータの操作には特殊な技能の必要で、専属のスタッフを雇用する必要、数年ごとに全面更新における数百万の更新費用を請求されるなど、極めて不健全な状態にありました。吉原先生は49歳の時に、この医療ITの理不尽な世界を変えようと決意します。この時の原動力は「怒り」であったと吉原先生は語ります。ここからが吉原先生の尊敬すべきところで、機械エンジニアではあったもののITは全くの無知で、文字通りゼロからのスタートでした。診療の空き時間で近所のプログラミングスクールを受講し、プログラミングスキルを習得、平日は診療を行いながら土日と夜間で電子カルテの開発に着手、49歳から始めたプログラミングは困難を極めたとのことです。診療時間の合間を縫って、C言語、Visual Basic、最終的には、MS Accessをベースにレセプロコンピュータを開発、データファイリング、出力システム、窓口会計のプログラム化、都道府県や市区町村ごとの公費のプログラム化、レセプト作成プログラムの効率化等数々の壁を何度も乗り越え、1998年、電子カルテ「ダイナミクス」の完成に至ります。ダイナミクスは物理学用語で「力学(Dynamics )」と意味して、「少しの力でも大きな動きへ」という想いを込めているそうです。最初は知り合いを中心にCDを手配りしていたダイナミクスは、その後正式に商用化し、有限会社ダイナミクスを設立、インターネットで公開、一般販売を開始しました。その後、2002年に一度上京し、日本橋でクリニック開業するも一時撤退、2003年一旦広島に戻り、紆余曲折ありつつも、2004年再度上京し、日本橋に再度開業されたのが現在の吉原先生のクリニック「吉原内科クリニック」です。ダイナミクスは一時期は日立系のソフトウェア会社と提携するも、その後提携を解消、自身でダイナミクス研究会という組織を立ち上げ、株式会社ダイナミクスを設立、電子カルテ「ダイナミクス」はダイナミクスユーザーのコミュニティに支えられて、現在もクリニック向け電子カルテの根強い支持を得ています。さらに、患者向け電子カルテ「candy」、医師向け医療情報システム「merody」、診療データ活用システム「stady」、薬局向け薬歴システム、QRお薬手帳、QR紹介状、QR見守りカード、地域包括ケア等、今や医療機関が欲しいほとんどすべてのサービスを提供しています。
吉原先生は自分の人生のことを「寄り道回り道人生」と最後に語っていました。確かに、機械エンジニア、自動車営業、学習塾、地方公務員、医師、プログラマー、電子カルテ会社経営と、7つもの仕事を経験しています。変化を起こそうとする人のエネルギーは誰も止められないということを感じました。吉原先生は自分の原動力は「怒り」であると語っていました。一つの電子カルテに人生を掛けた吉原先生の想い、電子カルテにドラマがあること、40代で医師になり、49歳からプログラミングを始める、50代で開業、会社経営、人は何歳になっても自分のやりたいことを実現出来るということ、 信念を持ち続け、諦めなければ道は開けるということ、私も限られた命を燃やし続ける人生でありたいと、そう考えた一日でした。以上、当日の活気を文字だけで十分に伝えることは難しいのですが、「第2回デジタルヘルス学会学術大会」吉原正彦先生の特別講演の開催レポートでした。
【重要】ご来院前にご確認ください。
お茶の水循環器内科は循環器専門の医療機関です。対象は主に狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患、心房細動を始めとする不整脈、心血管疾患の危険因子としての高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病、慢性心不全などの循環器疾患です。一般的な内科診療は行っていませんので予めご了承ください。 都内の医療機関探しは東京都医療機関案内サービスひまわりをご参考ください。
東京都医療機関案内サービスひまわり:03-5272-0303
→https://www.himawari.metro.tokyo.jp/qq13/qqport/tomintop
【お茶の水循環器内科】
お茶の水循環器内科は5年目を迎えました。当院は2014年秋、「心血管疾患の一次予防」を理念に神田小川町にてスタートしました。2016年春、現在の神田神保町にお引越し、2018年春、「その医療は心筋梗塞を減らすだろうか?」という行動規範のもと、循環器専門の医療機関になりました。世の中には救える病気とそうでない病気があります。その中で、心筋梗塞と脳卒中は血管の故障が原因であり、心血管疾患の危険因子をコントロールすることで十分に予防が可能です。具体的には、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙、心房細動、慢性腎臓病等の心血管疾患の危険因子に対して適切な治療介入と治療継続を行うことが重要で、そのために当院は夜間や土日も診療をオープンにしています。心筋梗塞と脳卒中を防ぐこと、これが我々の使命です。お茶の水循環器内科をどうぞよろしくお願いいたします。
お茶の水循環器内科院長五十嵐健祐
【具体的な診療範囲】
お茶の水循環器内科は循環器専門の医療機関です。循環器内科とは心臓と血管を専門に診る診療科です。具体的には、狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患、心房細動を始めとする不整脈、心血管疾患の危険因子としての高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病、慢性心不全などの循環器疾患です。循環器内科の診療範囲を具体的にまとめました。
・冠動脈疾患(急性心筋梗塞、労作性狭心症、他)
・心筋梗塞後、抗血小板療法、ステント留置後の管理、バイパス術後の管理・慢性心不全の管理
・心臓弁膜症(僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、他)
・弁置換術後の管理、弁形成術後の管理、抗凝固療法・心筋症(肥大型心筋症、拡張型心筋症、高血圧性心肥大、他)
・大動脈瘤、大動脈解離後の管理
・不整脈(心房細動、房室ブロック、上室期外収縮、心室期外収縮、他)
・心房細動の抗凝固療法、心原性脳塞栓症の予防、アブレーション治療の適応の評価、アブレーション治療後の管理
・脳卒中、脳血管障害、脳梗塞(ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症)、脳出血、くも膜下出血、一過性脳虚血発作、脳卒中後の管理
・高血圧症、二次性高血圧症
・脂質異常症、家族性高コレステロール血症
・2型糖尿病、1型糖尿病、糖尿病合併症の管理、インスリン管理
・慢性腎臓病、腎硬化症の管理、糖尿病性腎症の管理
・その他、健診後の再検査、食事指導、運動指導、禁煙外来、など
以上、心臓と血管を専門に診る診療科が循環器内科です。高血圧症、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病等の生活習慣病も心血管疾患の危険因子として循環器内科の守備範囲です。心筋梗塞や脳卒中にならないようにする、一度なってしまっても再発しないようにする、というのが循環器内科の仕事です。予防に勝る治療はありません。お気軽に主治医までご相談ください。