2020/1/2(木)、心房細動と断酒の関係について検討した研究「Alcohol Abstinence in Drinkers with Atrial Fibrillation」の結果が発表されました。

2020/1/2(木)、心房細動と断酒の関係について検討した研究「Alcohol Abstinence in Drinkers with Atrial Fibrillation」の結果が発表されました。過度な飲酒は心房細動の新規発症、心房細動の再発のリスク因子であることが知られています。オーストラリアにおいて、発作性心房細動または持続性心房細動を持ち、もともと週10ドリンク以上の飲酒習慣のある(1ドリンク=純アルコール量換算で約12gと定義)140例を対象に、飲酒習慣を継続する群70例と、断酒をする群70例とに分け、6ヶ月間追跡しました。結果、断酒群は飲酒量が週16.8ドリンクから2.1ドリンクに減少(87.5%減少)、飲酒群は週16.4ドリンクから13.2ドリンクに減少(19.4%減少)、2週間後の心房細動の罹患率は、断酒群37例(53%)、飲酒群51例(73%)と断酒群で減少傾向を認め、6ヶ月後の心房細動 の状態にあった時間の割合の中央値は、断酒群が対照群よりも有意(0.5%vs 1.2%、P=0.01)に減少していました。また、断酒群では心房細動の再発までの期間が飲酒群よりも有意(HR 0.55、95%CI 0.36-0.84、P=0.005)に延長していました。これから、断酒は心房細動の再発を完全に防ぐ訳ではないものの、心房細動の再発の減少に有効であることが明らかになりました。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1817591
確かに、過度な飲酒習慣がある方は心房細動の再発、再度アブレーションを受けることとなるケースが多い印象があり、実臨床の肌感覚と一致します。心房細動の根治療法としてカテーテルアブレーションの成功率、再発率は常に関心の対象となりますが、ご自身で修正可能な再発リスクを下げる生活習慣としてアルコールを減らすことというのは重要であるという研究結果です。

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