2019/11/20(水)、メトホルミン単剤でコントロール不良の2型糖尿病に対して経口セマグルチドとエンパグリフロジンを比較した研究「Oral Semaglutide Versus Empagliflozin in Patients With Type 2 Diabetes Uncontrolled on Metformin: The PIONEER 2 Trial」の結果をまとめました。

2019/11/20(水)、メトホルミン単剤でコントロール不良の2型糖尿病に対して経口セマグルチドとエンパグリフロジンを比較した研究「Oral Semaglutide Versus Empagliflozin in Patients With Type 2 Diabetes Uncontrolled on Metformin: The PIONEER 2 Trial」の結果をまとめました。世界12カ国、108施設、メトホルミン単剤でコントロール不良(HbA1c 7.0-10.5%)の2型糖尿病1112例を対象に、経口セマグルチド14mgの上乗せ群822例と、エンパグリフロジン25mgの上乗せ群410例に分け、52週間追跡、treatment policyとtrial productと2つの面から検証しました。結果、 経口セマグルチド群はエンパグリフロジン群に対して26週後のHbA1c低下に関して優越性(–1.3% vs –0.9%、estimated treatment difference(ETD) –0.4% 95%CI –0.6 to –0.3)を認めました。52週後も有意に改善をしていました。体重減少について、26週後の時点では優越性は認めませんでしたが、52週後の時点では経口セマグルチドは有意な減少(trial product −4.7 vs −3.8 kg P= 0.0114)を認めました。胃腸系の有害事象は経口セマグルチド群で多く(10.7% vs 4.4%)認められました。詳しくは論文をご覧ください。
https://care.diabetesjournals.org/content/42/12/2272
「PIONEER 2試験」は、経口GLP-1受容体作動薬のセマグルチドと、SGLT2阻害薬のエンパグリフロジンの直接比較を行った試験です。現在の経口血糖降下薬の中でも優れた血糖降下作用のあるエンパグリフロジンと経口セマグルチドを比較した結果、経口セマグルチドのほうが優れているという結果になりました。糖尿病領域では最近、毎年のように新薬が登場しています。SGLT2阻害薬には経口血糖降下作用だけではなく、心血管疾患予防作用、腎保護作用、心不全治療薬としての作用があることもわかって来ています。また新しい研究結果が出次第アップデートします。

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