2020/2/3(月)、加工肉、非加工赤肉、家禽肉、魚の摂取と心血管疾患の発症、全死亡との関係を調べた研究「Associations of Processed Meat, Unprocessed Red Meat, Poultry, or Fish Intake With Incident Cardiovascular Disease and All-Cause Mortality」の結果をまとめました。加工肉(processed meat)の摂取と心血管疾患(cardiovascular disease: CVD)、全死亡の関係はすでに確立していますが、非加工赤肉(unprocessed red meat)、家禽肉(poultry)、魚の摂取と心血管疾患、全死亡の確立との関係を明らかにするために、1985年から2002年までのアメリカにおける6つの前向きコホート研究、合計2万9682例を解析しました。中央値19.0年(14.1-23.7年)の追跡で、心血管疾患6963例、死亡8875例が発生、心血管疾患(冠動脈疾患、脳卒中、心不全、心血管死)のハザード比(HR)、30年間の絶対リスク差(absolute risk difference: ARD) について解析を行いました。結果、加工肉(調整後HR 1.07 95%CI 1.04-1.11、調整後ARD 1.74% 95%CI 0.85%-2.63%)、非加工赤肉(調整後HR 1.03 95%CI 1.01-1.06、調整後ARD 0.62% 95%CI 0.07%-1.16%)、家禽肉(調整後HR 1.04 95%CI 1.01-1.06、調整後ARD 1.03% 95%CI 0.36%-1.70%)の摂取は、いずれも心血管疾患の発症と有意な関係を認めました。魚(調整後HR 1.00 95%CI 0.98-1.02、調整後ARD 0.12% 95%CI −0.40% to 0.65%)の摂取は心血管疾患の発症と関係はありませんでした。加工肉(調整後HR 1.03 95%CI 1.02-1.05、調整後ARD 0.90% 95%CI 0.43%-1.38%)、非加工赤肉(調整後HR 1.03 95%CI 1.01-1.05、調整後ARD 0.76% 95%CI 0.19%-1.33%)の摂取は全死亡とも有意な関係を認めました。家禽肉(調整後HR 0.99 95%CI 0.97-1.02、調整後ARD −0.28% 95%CI −1.00% to 0.44%)、魚(調整後HR 0.99 95%CI 0.97-1.01、調整後ARD −0.34% 95%CI −0.88% to 0.20%)は全死亡と有意な関係を認めませんでした。アメリカの成人において、魚以外、加工肉、非加工赤肉、家禽肉は心血管疾患のリスクと有意に関係していました。家禽肉と魚以外、加工肉と非加工赤肉は全死亡のリスク増加とも有意に関係していました。詳しくは論文をご覧ください。
→https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2759737
食べるのであれば魚が一番良いという研究結果です。また、魚以外の肉を食べるのであれば、心血管疾患のリスクは増加したものの、全死亡リスクの増加が認められなかった、家禽肉が良いだろうという研究結果です。家禽肉とは、ニワトリを始めとして、ウズラ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ等の鳥類の総称です。加工肉、非加工赤肉は心血管疾患リスク、全死亡リスク、ともに増加させるという結果でした。ただ、いずれのリスク増加も3%-7%の範囲ですので、食事の趣向に合わせて個人個人で許容範囲を考えれば良いということも出来ます。
2020/2/3(月)、加工肉、非加工赤肉、家禽肉、魚の摂取と心血管疾患の発症、全死亡との関係を調べた研究「Associations of Processed Meat, Unprocessed Red Meat, Poultry, or Fish Intake With Incident Cardiovascular Disease and All-Cause Mortality」の結果をまとめました。