2020/1/13(月)、血管内超音波ガイド下のステント留置の有用性について5年間追跡した研究「Effect of Intravascular Ultrasound–Guided Drug-Eluting Stent Implantation: 5-Year Follow-Up of the IVUS-XPL Randomized Trial」の結果をまとめました。

2020/1/13(月)、血管内超音波ガイド下のステント留置の有用性について5年間追跡した研究「Effect of Intravascular Ultrasound–Guided Drug-Eluting Stent Implantation: 5-Year Follow-Up of the IVUS-XPL Randomized Trial」の結果をまとめました。冠動脈カテーテル治療における血管内超音波(intravascular ultrasound: IVUS)の有用性を調べるために、「IVUS-XPL」(Impact of Intravascular Ultrasound Guidance on the Outcomes of Xience Prime Stents in Long Lesions)trialを実施しました。28mm以上の長さの冠動脈ステント留置を必要とする冠動脈病変1400例に対し、IVUSガイド700例、血管造影ガイド700例に分け、エベロリムス漏出ステント留置を行い、5年間追跡しました。結果、1183例(85%)が追跡完了、主要心血管イベント(心血管死、標的病変関連の心筋梗塞、標的病変の血行再建)は、IVUSガイド群36例(5.6%)、血管造影ガイド群70例(10.7%)に発生、有意差(HR 0.50 95%CI 0.34 to 0.75 p=0.001)を認めました。両群の差の多くは標的病変の血行再建(target lesion revascularization: TLR)に起因(31 vs 55 HR 0.54 95%CI 0.33 to 0.89 p=0.007)していました。ランドマーク解析では、主要心血管イベントは、IVUSガイド群17例(2.8%)、血管造影ガイド群31(5.2%)、有意差(HR 0.53 95%CI 0.29 to 0.95 p=0.031)を認めました。血管造影ガイドと比べて、IVUSガイドでステント留置を行うことは、5年間の主要心血管イベントを有意に減少することがわかりました。ステント留置後1年間以内に認められた臨床ベネフィットは1-5年間も持続していました。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1936879819320199
冠動脈カテーテル治療において、血管内超音波は有用性について、1年間の追跡でIVUS群のほうが優れていることは報告されていましたが、5年間の追跡においても同様の結果を認めたという研究結果です。

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