2020/3/1(日)、ステント血栓症を起こした場合の院内転帰について調べた日本の研究「Incidence and In-Hospital Outcomes of Patients Presenting With Stent Thrombosis from the Japanese Nationwide Percutaneous Coronary Intervention Registry」の結果をまとめました。ステント血栓症(stent thrombosis: ST)の臨床経過を調べるために、日本における冠動脈カテーテル治療の全国登録研究「J-PCIレジストリ」にて、2014年から2016年まで、急性冠症候群(acute coronary syndrome: ACS)でPCIを行った25万6610例において、過去にPCIを行ったことのある7万3241例の急性冠症候群のうち確定ステント血栓症(definite ST)は1367例(1.9%)を認めました。全体として、ステント血栓症は若い世代の多く、心筋梗塞の既往がある例に多く、院内死亡率が高い(4.8% vs 1.1% p<0.001)傾向を認めました。PCI後にステント血栓症を発症する率は、ステント血栓症がない例と比べて有意に高く(4.3% vs 0.9% p<0.001)認めました。より年齢が若いにも関わらず、ステント血栓症は院内死亡率の高さと、ステント血栓症を含む心血管合併症の有意な高さと関係していました。詳しくは論文をご覧ください。
→https://www.ajconline.org/article/S0002-9149(19)31361-X/fulltext
ステント血栓症は頻度がそれほど多くはありませんが、全体の1.9%に発生していたとのことで、ステント留置後の抗血小板薬2剤併用療法の徹底は勿論のこと、ステント血栓症を疑う場合の冠動脈精査が重要であると認識しました。
2020/3/1(日)、ステント血栓症を起こした場合の院内転帰について調べた日本の研究「Incidence and In-Hospital Outcomes of Patients Presenting With Stent Thrombosis from the Japanese Nationwide Percutaneous Coronary Intervention Registry」の結果をまとめました。