2020/3/26(木)、出血リスクの高い冠動脈カテーテル治療においてポリマー使用ゾタロリムス溶出ステントとポリマー非使用ウミロリムスコーティングステントの有効性を比較した研究「Polymer-based or Polymer-free Stents in Patients at High Bleeding Risk: ONYX ONE」の結果をまとめました。

2020/3/26(木)、出血リスクの高い冠動脈カテーテル治療においてポリマー使用ゾタロリムス溶出ステントとポリマー非使用ウミロリムスコーティングステントの有効性を比較した研究「Polymer-based or Polymer-free Stents in Patients at High Bleeding Risk: ONYX ONE」の結果をまとめました。ポリマー非使用薬剤コーティングステント(Polymer-free drug-coated stents)は、出血リスクの高いため抗血小板薬2剤併用療法を1ヶ月受ける場合に、ベアメタルステント(bare-metal stents)と比べて予後が優れていますが、ポリマー使用薬剤溶出性ステント(polymer-based drug-eluting stents)との比較データは限られています。ポリマー使用ゾタロリムス溶出性ステントと、ポリマー非使用ウミロリムスコーティングステントを、出血リスクが高い症例において比較対照試験を行いました。PCI後、1ヶ月間の抗血小板薬2剤併用療法を行いました。
主要転帰は1年以内の心臓が原因の死亡、心筋梗塞、1年以内のステント血栓症、副次的転帰は標的病変不全、心臓が原因の死亡、標的血管の心筋梗塞、臨床的に示唆される標的病変の再血行再建とし、非劣性評価を行いました。
出血リスクの高い1996例を対象に、1:1の割合で無作為に、ゾタロリムス溶出性ステント1003例、ポリマー非使用薬剤コーティングステント993例に割り振られ、1年間追跡しました。結果、主要転帰は169例(16.9%)、164例(16.9%)に発生、非劣性(リスク差 0.2% 97.5信頼区間の上限 3.5 非劣性マージン 4.1 非劣性のP=0.01)を認めました。副次的転帰は174例(17.6%)、169例(17.4%)に発生、非劣性(リスク差 0.2% 97.5%信頼区間の上限 3.5 非劣性マージン 4.4 非劣性のP=0.007)を認めました。出血リスクが高く、PCI後抗血小板薬2剤併用療法を1ヶ月行う場合、ポリマー使用ゾタロリムス溶出性ステントとポリマー非使用薬剤コーティングステントは安全性、有効性ともに非劣性であることが証明されました。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1910021
メドトロニック社、ポリマー使用ゾタロリムス溶出ステント「Resolute Onyx」のデータです。

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