2020/3/17(火)、急性冠症候群で経皮的冠動脈形成術後の非責任病変の心筋梗塞について調べた研究「Nonculprit Lesion Myocardial Infarction Following Percutaneous Coronary Intervention in Patients With Acute Coronary Syndrome」の結果をまとめました。

2020/3/17(火)、急性冠症候群で経皮的冠動脈形成術後の非責任病変の心筋梗塞について調べた研究「Nonculprit Lesion Myocardial Infarction Following Percutaneous Coronary Intervention in Patients With Acute Coronary Syndrome」の結果をまとめました。経皮的冠動脈形成術後の抗血小板薬の期間や強度を減らすことは、経皮的冠動脈形成術の成績とは関係なく、急性冠症候群(acute coronary syndrome: ACS)後の非標的病変(nontarget lesion)イベントの実質的なリスクであり、治療成績の失敗とカウントされてしまうことがあるかも知れません。抗血小板療法の効果によって、急性冠症候群に対する経皮的冠動脈形成術後の心筋梗塞(myocardial infarction)の再発や心血管死のタイミングや因果関係のバイアスの可能性を評価するために、「TRITON-TIMI 38」(Trial to Assess Improvement in Therapeutic Outcomes by Optimizing Platelet Inhibition With Prasugrel–Thrombolysis In Myocardial Infarction 38)試験では、ステント留置後1ヶ月以内の急性冠症候群12844例を対象に、プラスグレル群とクロピドグレル群に無作為に割り付けを行いました。心筋梗塞と心血管死は、カテゴリー1:手技(再血行再建術に関連)、カテゴリー2:確定または疑いのステント血栓症(stent thrombosis: ST)、カテゴリー3:自発性(spontaneous)(ステント血栓症にも手技にも関係なく発生)に分類、中央値14.5年間追跡しました。結果、30日以内の初発イベントは、584例(69.0%)が手技関連、126例(14.9%)がステント血栓症関連、136例が自発性でした。30日以降では22(4.7%)が手技関連、64例(13.5%)がステント血栓症関連、383例(81.8%)が自発性でした。プラスグレルは心筋梗塞、ステント血栓症関連心血管死(1.0% vs 2.1% p<0.001)、自発性イベント(3.9% vs 4.8% p=0.012)を有意に減少、手技イベント(4.4% vs 5.1% p=0.078)の発生数も減少させました。プラスグレルは自発性の出血を増加させましたが、手技による出血は増やしませんでした。長期の抗血小板療法は、急性冠症候群後、責任病変のステント関連合併症に加えて、新規発症の動脈硬化性イベントの減少を認めました。急性冠症候群に対して経皮的冠動脈形成術を受けた後、30日後以降は自発性イベントが多くを占め、長期のフェイズの心血管ベネフィットは、抗血小板薬2剤併用療法による動脈硬化性虚血イベントの新規発生の減少が大きく影響していました。詳しくは論文をご覧ください。
http://www.onlinejacc.org/content/75/10/1095
ステント留置後の抗血小板薬2剤併用療法は重要ですが、イベント抑制効果が、手技によるもの、ステント血栓症によるもの、自発的な再発によるもの、3つのカテゴリーに分けて因数分解したという研究です。30日以内では手技の影響が大きく、30日後以降では手技やステント血栓症とは関係のないイベントが多いことがわかり、いずれもプラスグレル群はクロピドグレル群と比べて有意に抑制したという結果です。


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