2020/10/8、2型糖尿病に対するSGLT2阻害薬Ertugliflozinの心血管転帰への影響を調べた研究「Cardiovascular Outcomes with Ertugliflozin in Type 2 Diabetes」の要旨をまとめました。

2020/10/8、2型糖尿病に対するSGLT2阻害薬Ertugliflozinの心血管転帰への影響を調べた研究「Cardiovascular Outcomes with Ertugliflozin in Type 2 Diabetes」の要旨をまとめました。
SGLT2阻害薬(inhibitor of sodium–glucose cotransporter 2)、「ertugliflozin」(日本未承認)の心血管への影響はまだ確立していませんでした。2型糖尿病、動脈硬化性心血管疾患を対象に、ertugliflozin1日5mg、15mg、プラセボ群に無作為に割り振り、多施設二重盲検試験を実施しました。ertugliflozinの2用量のデータはプール解析、主要対象はプラセボと比べて主要評価項目においてertugliflozinの非劣勢を証明することで、主要有害心血管事象(心血管原因死亡、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中の複合)としました。非劣勢マージンは主要有害心血管事象において1.3(upper boundary of a 95.6% confidence interval for the hazard ratio [ertugliflozin vs. placebo)としました。第一副次評価項目は心血管原因死亡、心不全入院の複合としました。全8246例、3.5年追跡しました。8238例、主要有害心血管事象はertugliflozin群5493例中653例(11.9%)、プラセボ群2745例中327例(11.9%)、非劣勢(hazard ratio, 0.97; 95.6% confidence interval [CI], 0.85 to 1.11; P<0.001 for noninferiority)を認めました。心血管原因死亡、心不全入院は、ertugliflozin群5499例中444例(8.1%)、プラセボ群2747例中250例(9.1%)、優越性(hazard ratio, 0.88; 95.8% CI, 0.75 to 1.03; P=0.11 for superiority)を認めました。心血管原因死のハザード比0.92(95.8% CI, 0.77 to 1.11)、腎原因死亡、腎代替療法、血清クレアチニン値の倍増のハザード比0.81 (95.8% CI, 0.63 to 1.04)でした。下肢切断はertugliflozin 5mg群54例(2.0%)、ertugliflozin 15mg群57例(2.1%)、プラセボ群45例(1.6)でした。2型糖尿病、動脈硬化性心血管疾患において、ertugliflozinは主要有害心血管事象においてプラセボと比べて非劣勢でした。詳しくは論文をご覧ください。https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2004967
SGLT2阻害薬「ertugliflozin」(日本未承認)の心血管への作用として、心血管死亡、心不全入院12%減少との報告です。エンパグリフロジン、カナグリフロジン、ダパグリフロジン等と同様に、SGLT2阻害薬で有効性のエビデンスが続いています。


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