2020/7/14、急性冠症候群における経口P2Y12阻害薬の有効性と安全性について調べたメタ解析「Comparative Efficacy and Safety of Oral P2Y12 Inhibitors in Acute Coronary Syndrome: Network Meta-Analysis of 52816 Patients From 12 Randomized Trials」の要旨をまとめました。

2020/7/14、急性冠症候群における経口P2Y12阻害薬の有効性と安全性について調べたメタ解析「Comparative Efficacy and Safety of Oral P2Y12 Inhibitors in Acute Coronary Syndrome: Network Meta-Analysis of 52816 Patients From 12 Randomized Trials」の要旨をまとめました。急性冠症候群における経口P2Y12阻害薬の新規の無作為化対照試験のデータが入手可能です。無作為化対照試験のメタ解析によって、急性冠症候群におけるプラスグレル、チカグレロル、クロピドグレルの有効性、安全性のプロファイルを比較した現在のエビデンスを評価するために、12の無作為化対照試験、急性冠症候群52816例、有効性、安全性の転帰の直接対照比較解析、ネットワークメタ解析を実施しました。結果、クロピドグレルと比べて、チカグレロルは心血管死亡(hazard ratio [HR], 0.82 [95% CI, 0.72-0.92])、全死亡(HR, 0.83 [95% CI, 0.75-0.92])の有意な減少を認めましたが、一方で、プラスグレルは死亡率(HR, 0.90 [95% CI, 0.80-1.01] and HR, 0.92 [95% CI, 0.84-1.02], respectively)の有意な減少を認めませんでした。プラスグレルとチカグレロルの比較において、死亡率に有意差(HR prasugrel versus ticagrelor, 1.10 [95% CI, 0.94-1.29] and 1.12 [95% CI, 0.98-1.28])を認めませんでした。クロピドグレルと比べて、プラスグレルは心筋梗塞(HR, 0.81 [95% CI, 0.67-0.98])の減少を認めましたが、チカグレロル(HR, 0.97 [95% CI, 0.78-1.22])は減少を認めませんでした。プラスグレルとチカグレロルとの間に統計学的に有意差を認めませんでした。ステント血栓症はチカグレロル、プラスグレルは、クロピドグレルと比べて有意に減少(28%-50% range of reduction)を認めました。クロピドグレルと比べて、プラスグレル((HR, 1.26 [95% CI, 1.01-1.56])、チカグレロル(HR, 1.27 [95% CI, 1.04-1.55])は大出血の有意な増加を認めました。他の探求転帰において、プラスグレルとチカグレロルとの間に有意差を認めませんでした。プラスグレルとチカグレロルはクロピドグレルと比べて、虚血性事象を減少、出血を増加させました。死亡率の有意な減少はチカグレロルのみで認められました。プラスグレルとチカグレロルの間に有効性、安全性の差を認めませんでした。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32468837
抗血小板薬、プラスグレル(エフィエント)、チカグレロル(ブリリンタ)、クロピドグレル(プラビックス)、3薬の比較です。


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