2020/11/3、体重変化に対してオンライン体重管理プログラムと集団健康管理の組み合わせの有用性について調べた研究「Effect of an Online Weight Management Program Integrated With Population Health Management on Weight Change: A Randomized Clinical Trial」の要旨をまとめました。オンラインプログラムは体重減少を助けるかも知れませんが、日常的なプライマリケアにおける応用は一般的ではありません。集団健康管理にオンライン体重管理プログラムの追加、オンラインプログラム単独、従来治療、組み合わせ介入の有効性を評価するために、2016年から2017年まで、アメリカ、プライマリケア施設15施設にて、クラスター無作為化試験を実施しました。組み込み対象は、定期的な外来受診のある20歳から70歳、BMI 27から40、高血圧または2型糖尿病としました。2019年まで追跡しました。従来治療群326例、体重管理に関する一般的な情報提供を郵送しました。オンラインプログラム単独群216例、組み合わせ介入群はオンラインプログラムに登録しました。組み合わせ介入群はさらに、非医療従事者による定期的な訪問、オンラインプログラムの進捗状況のモニタリングの追加支援、体重関連集団健康管理を受けました。主要評価項目はベースラインの電子カルテ記録の測定体重からの12ヶ月後の体重変化としました。副次評価項目は18ヶ月後の体重変化としました。結果、840例、平均年齢59.3歳、女性60%、白人76.8%、732例(87.1%)が12ヶ月後の体重記録が報告あり、参加者の体重減少を算出しました。12ヶ月後の体重変化は、従来治療群-1.2 kg(95% CI, -2.1 to -0.3 kg)、オンラインプログラム単独群-1.9 kg(95% CI, -2.6 to -1.1 kg)、組み合わせ介入群-3.1 kg(95% CI, -3.7 to -2.5 kg)、有意差(P < .001)を認めました。組み合わせ介入群と従来治療群の体重変化の差は-1.9 kg(97.5% CI, -2.9 to -0.9 kg; P < .001)、組み合わせ介入群とオンラインプログラム単独群の差は-1.2 kg(95% CI, -2.2 to -0.3 kg; P = .01)、有意差を認めました。18ヶ月後、平均体重変化は従来治療群-1.9 kg(95% CI, -2.8 to -1.0 kg)、オンラインプログラム単独群-1.1 kg(95% CI, -2.0 to -0.3 kg)、組み合わせ介入群-2.8 kg(95% CI, -3.5 to -2.0 kg)、有意差(P < .001)を認めました。過体重、肥満、高血圧、2型糖尿病、プライマリケアにおいて、オンラインプログラムと集団健康管理の組み合わせは、12ヶ月後、従来治療、オンラインプログラム単独と比べて、少ないですが、統計学的に有意な体重減少を認めました。本結果の一般化、拡大化、一貫性のためにはさらなる研究が必要です。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33141209
従来の体重減少プログラム、オンラインの体重減少プログラムよりも、オンラインの体重減少プログラムと定期訪問との組み合わせの介入が最も体重減少効果を認めたというアメリカから報告です。リアルかオンラインか、ではなく、両方の組み合わせが一番効果的であったという話です。
2020/11/3、体重変化に対してオンライン体重管理プログラムと集団健康管理の組み合わせの有用性について調べた研究「Effect of an Online Weight Management Program Integrated With Population Health Management on Weight Change: A Randomized Clinical Trial」の要旨をまとめました。