2020/11/4、マルチビタミン、マルチミネラルサプリメントの使用と自己報告健康感、臨床的に測定可能なベネフィットについて調べた研究「Self-reported health without clinically measurable benefits among adult users of multivitamin and multimineral supplements: a cross-sectional study」の要旨をまとめました。

2020/11/4、マルチビタミン、マルチミネラルサプリメントの使用と自己報告健康感、臨床的に測定可能なベネフィットについて調べた研究「Self-reported health without clinically measurable benefits among adult users of multivitamin and multimineral supplements: a cross-sectional study」の要旨をまとめました。複数の臨床試験において、一般成人集団における毎日のマルチビタミン、マルチビタミン(multivitamin and multimineral: MVM)摂取の臨床的に測定可能な健康ベネフィットの特定は失敗に終わっています。マルチビタミンミネラルの使用を理解することは、効果的な栄養の実践、公衆衛生教育において、目安となります。アメリカにて、健康調査を使用、大規模、全国代表集団、無作為集団、マルチビタミンミネラル使用、非使用、自己報告健康感と、臨床的に測定可能な健康転帰を比較しました。マルチビタミンミネラル摂取の有用性、自己報告による全般的な健康感(self-reported overall health)、臨床的に測定可能な健康転帰(clinically measurable health outcomes)、断面横断解析を実施しました。2012年の全国健康問診調査21603例からマルチビタミンミネラル使用群、非使用群を対象に、主要評価項目、副次評価項目は、5項目の心理的、身体的、機能的健康転帰として、自己評価健康状態、介助必要度、10項目の慢性疾患の既往、過去12ヶ月間の健康状態19項目、非特異的心理的苦痛測定「Kessler 6-Item Psychological Distress Scale」としました。結果、マルチビタミンミネラ使用群4933例、非使用軍16670例において、マルチビタミンミネラル使用群は、非使用群と比べて、全般的な健康感(overall health)は自己報告で30%良好(adjusted OR 1.31; 95% CI 1.17 to 1.46; false discovery rate adjusted p<0.001)でした。10項目の慢性疾患の既往、現在の健康状態数、K6 Scaleによる現在の心理的苦痛の重症度、日常生活介助の必要率の差、マルチビタミンビタミン使用群、非使用群において差を認めませんでした。性別、教育、人種による層別化後においても差を認めませんでした。マルチビタミンミネラルの使用群は自己報告によると全般的な健康感が良好でしたが、臨床的に測定可能な健康転帰は差を認めませんでした。本結果、マルチビタミンミネラルの広範囲な使用は、マルチビタミンミネラルの使用は良い健康転帰につながるかも知れないという個人のポジティブな期待値、マルチビタミンミネラル使用者は本質的に自身の健康についてポジティブな展望を持っているのではないかという自己選択バイアスの結果によるものである可能性を示唆しています。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33148746
マルチビタミン、マルチミネラルのサプリメントの摂取は、健康になった気がするというだけで、本当に気がするだけだったというアメリカの論文です。もう少し正確に言うと、self-reported overall healthは差があったものの、clinically measurable health outcomesには差を認めなかったという報告です。痛いニュースでも記事になっていました。
「【悲報】「マルチビタミン」のサプリメント、効果無しと判明」
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/2004318.html
ざっと見た感じ、まあ、そうだよね、という反応が多い印象です。


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