2020/11/12、入院中の臨床的重症化リスクの特定の自動化に関する研究「Automated Identification of Adults at Risk for In-Hospital Clinical Deterioration」の要旨をまとめました。


2020/11/12、入院中の臨床的重症化リスクの特定の自動化に関する研究「Automated Identification of Adults at Risk for In-Hospital Clinical Deterioration」の要旨をまとめました。集中治療室以外の入院中の重症化は死亡率、合併症のリスクが高いです。臨床的重症化のリスクの早期特定は手作業の計算スコアに頼っているのが現状です。臨床的重症化が差し迫っていることを自動的に検出可能であれば転帰がどうなるか十分にわかっていません。電子カルテ記録からの情報を使用、臨床的重症化ハイリスクを特定するための検証モデル、自動的、リアルタイムにリスクスコアを計算、ハイリスクと特定された場合、記録をレビュー、看護師によるリモートモニタリング、介入プログラムを開発しました。モニタリングの結果、病院における迅速な反応チームとのコミュニケーションにつながりました。介入施設ではアラート後に臨床反応、対照施設では運用システムのアラート後に臨床反応のトリガー、病院の運用システムのアラート閾値に達した例、集中治療室以外に入院中の一次転帰、アラート後の30日死亡率、転帰を比較しました。人口統計因子、重症度、基礎疾患の負荷等を調整後、多変量解析を実施しました。2016年から2019年、19施設で、プログラムを開発しました。非集中治療室548838入院、326816例を特定、43949入院、35669例はアラート閾値に達しました。15487入院は介入コホート、28462入院は対照コホートとしました。アラート後の30日死亡率は、介入コホート群は対照コホート群と比べて低値(adjusted relative risk, 0.84, 95% confidence interval, 0.78 to 0.90; P<0.001)でした。迅速に臨床反応チームによる介入を必要とするハイリスク例を特定する自動化予測モデルによって、死亡率低下と関連を認めました。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMsa2001090
19施設協力、電子カルテデータ548838回の入院記録から入院中の重症化予測プログラムを開発、実際に運用したところ、30日死亡率14%有意な低下を認めたとのアメリカからの報告です。さらっと論文では書いてありますが、すごいことですね。センサーやウエアラブルデバイスで多数のビックデータを集めて人工知能で解析すれば重症化リスク等を将来的には予測出来るようになると言われて来ましたが、もう出来るんですね。アップルの「もうできるよ」のYoutube動画を張っておきます。
「Apple Watch Series 6、登場 — もうできるよ」
https://youtu.be/U90_RsrBy44


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