2020/11/6、2型糖尿病、微量アルブミン尿に対してエサキセレノンの第III相無作為化対照臨床試験「Esaxerenone (CS-3150) in Patients with Type 2 Diabetes and Microalbuminuria (ESAX-DN) Phase 3 Randomized Controlled Clinical Trial」の要旨をまとめました。

2020/11/6、2型糖尿病、微量アルブミン尿に対してエサキセレノンの第III相無作為化対照臨床試験「Esaxerenone (CS-3150) in Patients with Type 2 Diabetes and Microalbuminuria (ESAX-DN) Phase 3 Randomized Controlled Clinical Trial」の要旨をまとめました。糖尿病性腎臓病(Diabetic kidney disease)は2型糖尿病の重大な合併症です。第IIb試験にて、2型糖尿病、微量アルブミン尿ありに対して、レニンアンギオテンシン系阻害薬にエサキセレノンを追加すると、用量依存的に尿中アルブミンクレアチニン比を低下しました。第III相試験は、52週間、2型糖尿病、微量アルブミン尿に対して、エサキセレノンの尿中アルブミンクレアチニン比へ与える効果を検討しました。2型糖尿病、尿中アルブミンクレアチニン比45から300mg/g、レニンアンギオテンシン系阻害薬投与あり、455例、エサキセレノン群、プラセボ群、無作為化、52週間追跡、多施設無作為化二重盲検試験を実施しました。エサキセレノン群は、1.25mg/dから開始、血中カリウム値をモニタリングしながら2.5mg/dへ増量しました。主要評価項目は尿中アルブミンクレアチニン比の寛解(2回連続検査にて、30mg/g未満またはベースラインから30%以上の低下)の比率としました。結果、エサキセレノン群49例(22%)、プラセボ群9例(4%)、尿中アルブミンクレアチニン比寛解の到達、有意差(absolute difference 18%; 95% confidence interval, 12% to 25%; P<0.001)を認めました。ベースラインから治療終了時の尿中アルブミンクレアチニン比の変化はエサキセレノン群はプラセボ群と比べて有意に高率(−58% versus 8%; geometric least-squares mean ratio to placebo 0.38, 95% confidence interval, 0.33 to 0.44)でした。エサキセレノン群はプラセボ群と比べて、初回寛解までの時間(hazard ratio, 5.13; 95% confidence interval, 3.27 to 8.04)、尿中アルブミンクレアチニン比300mg/g以上の初回変化までの時間(hazard ratio, 0.23; 95% confidence interval, 0.11 to 0.48)は有意に改善を認めました。血中カリウム値が2回連続検査にて6.0mEq/L以上、5.5mEq/L以上は、エサキセレノン群20例(9%)、プラセボ群5例(2%)でした。事象は無症候性、用量減量または治療中断後に回復しました。2型糖尿病、微量アルブミン尿、レニンアンギオテンシン系阻害薬投与に加えてエサキセレノンの追加は、アルブミン尿を正常値へ変化の尤度比の上昇、アルブミン尿の高値への信仰を抑制しました。詳しくは論文をご覧ください。
https://cjasn.asnjournals.org/content/early/2020/11/25/CJN.06870520
エサキセレノン(ミネブロ)は非ステロイド性選択的ミネラルコルチコイド受容体ブロッカーです。降圧薬として承認されています。今回、糖尿病性腎臓病に対して微量アルブミン尿の抑制効果が明らかになりました。2019/5/13発売の比較的新しい降圧薬です。


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