2020/11/16、慢性腎臓病、2型糖尿病に対して、「finerenone」の心血管転帰を調べた研究「Finerenone and Cardiovascular Outcomes in Patients with Chronic Kidney Disease and Type 2 Diabetes」の要旨をまとめました。

2020/11/16、慢性腎臓病、2型糖尿病に対して、「finerenone」の心血管転帰を調べた研究「Finerenone and Cardiovascular Outcomes in Patients with Chronic Kidney Disease and Type 2 Diabetes」の要旨をまとめました。「FIDELIO-DKD」試験は慢性腎臓病、2型糖尿病で、至適レニンアンギオテンシン系阻害薬の投与あり、非ステロイド性ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬「finerenone」の腎、心血管転帰への効果を評価しました。プラセボと比べて、finerenoneは複合腎心血管転帰を抑制しました。動脈硬化性心血管疾患の既往の有無、finerenoneの心血管転帰への効果を調べました。2型糖尿病、尿中アルブミンクレアチニン比30-5000mg/g、推算糸球体濾過量25以上75未満、至適レニンアンギオテンシン系阻害薬投与を受けている例を対象に無作為化二重盲検プラセボ対照試験を実施しました。駆出率の低下した心不全の既往がある例は除外しました。finerenone群、プラセボ群に無作為化しました。複合心血管転帰は、心血管死、心筋梗塞、脳卒中、心不全入院までの時間としました。事前設定心血管解析は、ベースラインの心血管疾患の既往に基づいた複合転帰の各因子としました。結果、2015年から2018年、13911例スクリーニング、5674例参加、ベースラインで心血管疾患の既往ありは45.9%でした。中央値2.6年間の追跡、finerenoneはプラセボと比べて、複合心血管転帰を有意に減少(hazard ratio [HR], 0.86; 95% confidence interval [CI], 0.75-0.99; P=0.034)、心血管疾患の既往の有無によって有意差(HR, 0.85; 95% CI, 0.71-1.01 in patients with a history of CVD; HR, 0.86; 95% CI, 0.68-1.08 in patients without a history of CVD; P-value for interaction, 0.85)を認めませんでした。治療関連有害事象の発生は同様で、高カリウム血症関連の治療中断(2.3% with finerenone vs 0.8% with placebo in patients with CVD and 2.2% with finerenone vs 1.0% with placebo in patients without CVD)がありました。慢性腎臓病、2型糖尿病において、心血管疾患の既往の有無によって治療効果が変わることなく、finerenoneは複合心血管転帰を減少させました。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCULATIONAHA.120.051898
非ステロイド性ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬「finerenone」が糖尿病性腎臓病だけではなく、心血管疾患リスクを減らすという報告です。詳しくは以前のまとめをご覧ください。
「2020/10/23、2型糖尿病の慢性腎臓病に対するFinerenoneの有効性について調べた研究「Effect of Finerenone on Chronic Kidney Disease Outcomes in Type 2 Diabetes: FIDELIO-DKD」の要旨をまとめました。」
https://ochanomizunaika.com/20264


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