2020/11/9、痛風に対するフェブキソスタット、アロプリノールの長期の心血管の安全性を比較した多施設前向き無作為化オープンラベル非劣性試験「Long-term cardiovascular safety of febuxostat compared with allopurinol in patients with gout (FAST): a multicentre, prospective, randomised, open-label, non-inferiority trial」の要旨をまとめました。フェブキソスタットとアロプリノールは痛風、尿酸低下治療薬です。フェブキソスタットの心血管の安全性への懸念から、ヨーロッパ医薬品庁(European Medicines Agency)はフェブキソスタットとアロプリノールの心血管の安全性を比較、評価する市販後調査を推奨していました。イギリス、デンマーク、スウェーデンにて、フェブキソスタットとアロプリノールを比較、前向き無作為化オープンラベル評価項目盲検非劣性試験を実施しました。組み込み基準は60歳以上、すでにアロプリノール投与、少なくとも1項目以上の心血管危険因子のある例としました。6ヶ月以内の心筋梗塞、脳卒中、重症うっ血性心不全、重症の腎障害は除外しました。アロプリノールのリード投与後、至適用量にて血清尿酸濃度6mg/dL未満到達、過去の心血管事象によって層別化、アロプリノール継続群、フェブキソスタット開始量1日80mg、血清尿酸濃度目標値達成のため必要があれば1日120mgまで増量、無作為化しました。主要評価項目は非致死性心筋梗塞、バイオマーカー要請急性冠症候群、非致死性脳卒中、心血管死の複合としました。Cox比例ハザードモデル、変量、国籍調整後、治療解析にて、フェブキソスタットとアロプリノールのハザード比を評価、非劣性上限のハザード比1.3としました。結果、2011年から2018年まで、6128例、平均年齢71.0歳、男性5225例(85.3%)、女性903例(14.7%)、心血管疾患の既往あり2046例(33.4%)参加、アロプリノール群3065例、フェブキソスタット群3063例に無作為化しました。2019年の試験終了まで、フェブキソスタット群189例、アロプリノール169例が追跡離脱しました。追跡期間中央値1467日、投与追跡期間1324例でした。主要評価項目の発生率は、フェブキソスタット群172例(1·72 events per 100 patient-years])、アロプリノール群241例(2·05 events per 100 patient-years)、非劣性(adjusted HR 0·85 [95% CI 0·70–1·03], p<0·0001)を認めました。フェブキソスタット群において、3063例中222例(7.2%)死亡、安全性解析3001例中1720例(57.3%)の結果、重大有害事象、治療関連23事象、19例(0·6%)でした。アロプリノール群において、3065例中263例(8.6%)死亡、3050例中1812例(59.4%)重大有害事象、治療関連5事象、5例(0.2%)でした。無作為化投与の中止はフェブキソスタット群973例(32.4%)、アロプリノール群503例(16.5%)でした。フェブキソスタットは心血管の主要評価項目においてアロプリノールと比べて非劣性で、長期の使用はアロプリノールと比べて、死亡、重大有害事象のリスク増加と関連を認めませんでした。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)32234-0/fulltext
尿酸低下薬フェブキソスタット(フェブリク)、アロプリノール(ザイロリック)の心血管の安全性を評価した「FAST」試験の結果です。フェブリクの発売後、「CARES」試験の結果等を受けて、心血管疾患へ与える影響が懸念されていましたが、特に有意差はないという結論です。メディカルトリビューンに詳しい経緯も含めて記事になっていました。
https://medical-tribune.co.jp/rensai/2020/1201533738
2020/11/9、痛風に対するフェブキソスタット、アロプリノールの長期の心血管の安全性を比較した多施設前向き無作為化オープンラベル非劣性試験「Long-term cardiovascular safety of febuxostat compared with allopurinol in patients with gout (FAST): a multicentre, prospective, randomised, open-label, non-inferiority trial」の要旨をまとめました。