2020/10/23、ST上昇型心筋梗塞、安定冠動脈疾患、エベロリムス溶出性コバルトクロムステント留置3ヶ月後の血管反応について調べた研究「Vascular Response Occurring at 3 Months After Everolimus-Eluting Cobalt-Chromium Stent Implantation in Patients With ST-Segment Elevation Myocardial Infarction vs Stable Coronary Artery Disease」の要旨をまとめました。

2020/10/23、ST上昇型心筋梗塞、安定冠動脈疾患、エベロリムス溶出性コバルトクロムステント留置3ヶ月後の血管反応について調べた研究「Vascular Response Occurring at 3 Months After Everolimus-Eluting Cobalt-Chromium Stent Implantation in Patients With ST-Segment Elevation Myocardial Infarction vs Stable Coronary Artery Disease」の要旨をまとめました。第2世代薬剤溶出性ステントはST上昇型心筋梗塞においてステント血栓症の発生を減少します。しかしながら、ST上昇型心筋梗塞病変における薬剤溶出性ステント後、主にステント血栓症の懸念と関連する早期局所血管修復は十分にわかっていませんでした。ST上昇型心筋梗塞病変、安定冠動脈疾患病変、コバルトクロムエベロリムス溶出性ステント留置後3ヶ月の早期局所血管修復を評価するために、全96病変、ST上昇型心筋梗塞49例、安定冠動脈疾患51例、前向き多施設研究、術前及び追跡3ヶ月後、高頻度領域光干渉断層撮影を実施しました。ST上昇型心筋梗塞、コバルトクロムエベロリムス溶出性ステント留置は3ヶ月後ほとんど完全にカバーされていましたが、安定冠動脈疾患と比べて、カバーされていないの高い発生率と関連(5.5% vs. 1.6%, P<0.001)していました。ステント内血栓症は追跡3ヶ月間で、2群とも(STEMI: 91.7%→26.5%, stable CAD: 74.5%→11.8%)主に解決しました。非典型的な突起に関わらず、安定冠動脈疾患においては完全な修復(21.6%→0%)、ST上昇型心筋梗塞においてはわずかに残存(79.2%→8.2%)しました。ST上昇型心筋梗塞において責任領域の平均変化はほとんど変化なしであったのに対し、安定冠動脈疾患ではわずかですが有意に減少(STEMI 0.08 (-0.44, 0.55) mm2, stable CAD -0.35 (-0.55, 0.11) mm2; P=0.009)を認めました。ST上昇型心筋梗塞においてコバルトクロムエベロリムス溶出性ステント留置後の修復はわずかに遅れていましたが、ST上昇型心筋梗塞、安定冠動脈疾患においても修復過程は許容可能範囲内でした。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33012747

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